ニッケイ新聞 2013年8月16日
サンパウロ市で14日、MPL(無賃乗車運動)の支援を受けたメトロ組合員らによるデモが起こり、ドイツのシーメンス社などによるサンパウロ市地下鉄やパウリスタ都電公社(CPTM)の事業入札におけるカルテルへの反発が、アウキミン政権への批判に変わり、警官隊と衝突して暴動化した。15日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
軍警によればこの騒ぎで3人を拘束、警官5人が負傷。デモ参加者数を軍警は1500人、主催者側は2500人と発表している。
デモ参加者は午後3時頃アニャンガバウーで集まり、州都交通局の建物前で交通機関の事業家を模した人形などに火をつけた。大半は汚職撲滅を求める文書を渡した後に解散したが、約400人は市議会に進み、警官らともみ合いになった。
ジョゼ・アメリコ市議会議長(PT)は建物内に入った参加者の一部と議論したが、内容は「理解できなかった。最初はカルテルの話かと思ったら、市への批判に変わった」とコメントした。同市議は、22日に公共交通機関に関する公聴会を開くことを約束した。
また、市南部の州議会では知事罷免を求め、単一労センター(CUT)や労働者党員らが騒ぎを起こし、衝突が起きた。
また同日、リオではカブラル知事の反対派によるデモが起こり、29人が拘束された。市議会では11人のデモ隊と議員らが面会したが、何の合意事項もなく終わった。出口では、出てきた市議らが石や卵を投げつけるなどの攻撃を受けた。
同日午前は、8日からストをしている教師が労働環境改善を求めるデモを起こし、パエス市長との面談を求めたが叶わなかった。貧民街ロッシーニャでは、建設作業員アマリウドさんの行方不明事件に関するデモもあった。