ニッケイ新聞 2013年8月16日
サンパウロ州ジャカレイ市のジャカレイ日伯文化体育協会(上田アルベルト会長)で2〜4日の3日間、同市最大のイベント『第6回ジャカレイ移民祭』が開かれた。市内外から約3万5千人の客が足を運び、10カ国の郷土食や芸能ショーを堪能した。
日本人移民百周年が祝われた2008年、「ブラジルは移民国。他の移民も一緒に祝いたい」と同文協の呼びかけで始まった。市内に拠点をおく慈善文化団体が共催している。
各国の郷土食が同祭の目玉。日本、ブラジル、チリ、ペルー、メキシコ、イタリア、レバノン、ポルトガル、スペイン、フランスの10カ国が出店し、それぞれの郷土料理を販売し、昼時は会場も満席となった。
佐々木エジガル文協副会長は、ブラジル慈善団体のバラッカでガリニャーダ(鶏飯)作りながら「毎年来場者が増えている。土曜日は身動きが取れないくらい一杯になった」と笑顔のエプロン姿。「ただ売るだけじゃ感じが出ないから」と、早川功事務局長は客の前でネタをさばいてにぎり寿司作りを披露した。
同文協婦人部は、ヤキソバと名物のどら焼きなどを販売。坂口ファチマ部長は、てんてこ舞いの台所で額に汗をにじませながら「ヤキソバだけでも2千皿以上売れた」と嬉しい悲鳴をあげていた。青年部(ムカイバタ・ワルテル部長)十八番の焼き鳥も、3日で6千本を売り上げた。
日本語学校の生徒たちはメイド喫茶を出店し、特注したメイド服姿で給仕。舞台でのショーや書道展、生け花展、金魚すくい、東日本大震災の写真展、また60のバザリスタの出店でも賑わった。
毎年参加しているイオニ・リニャレスさん(60)は、夫と二人でタコスをほおばりながら「もう3カ国の料理を試したわ。次は何にしようかしら」と笑顔を見せた。
同市に日本人が入植したのは1927年。それから7年後、日本人農業者により現文協の母体となる親睦会が結成された。37年、学校建設を目的にジャカレイ日本人会が誕生、70年に各地区の日本人会が大同団結し現文協が設立された。会員数は210家族。