ニッケイ新聞 2013年8月17日
15日、パラグアイでホラシオ・カルテス氏の大統領就任式が行われた。同大統領は近隣諸国との友好関係再構築への希望を口にした。15日付伯字紙が報じている。
1時間弱に及んだ就任演説で、カルテス大統領はジウマ大統領やアルゼンチンのクリスチーナ大統領が、パラグアイのメルコスル(南米共同市場)復帰に向けて働きかけたことを賞賛した。
パラグアイは昨年6月のルゴ大統領(当時)の議会での罷免を「非民主的」として、選挙で選ばれた新大統領が誕生するまで、メルコスルの参加権を剥奪されていた。
カルテス氏の大統領就任をもって制裁措置の期限は終わったが、カルテス氏はメルコスル復帰に関する約束はこの日は行わなかった。だが、この日集まった周辺国首脳の前で、民主的な国家形成や、周辺国との協力を強化したい旨を話した。
この演説のあと、アントニオ・パトリオッタ外相は「(カルテス大統領が)メルコスル復帰に向けて交渉する姿勢を見せたと思う」と解釈した。 この前日の14日、カルテス氏はジウマ大統領と会談を行っている。ジウマ大統領は会談後、好感触を得たと述べていた。また、カルテス大統領はクリスチーナ大統領やウルグアイのホセ・ムヒカ大統領とも会談の約束をさらに取り付けている。
また、カルテス氏は14日午前、ペトロブラスやカマルゴ・コレアなどといったブラジル企業の要人たちとも会談を行っている。パラグアイのイタイプ・ダムからの送電システムの工事はブラジル企業の関心を呼んでいる。
なお、パラグアイがメルコスル復帰に難色を示しているのは、パラグアイの権利剥奪中に、同国が参加国入りを反対していたベネズエラが加入を果たした上に議事国にまでなったからだが、そのベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領は就任式には参加しなかった。