サンパウロ市=ハダジ市長の看板政策変更=「未来のアーチ」放棄=夜間警備なども弱体化か=金がないというけれど
ニッケイ新聞 2013年8月20日
ハダジサンパウロ市市長が2012年選挙で看板政策として掲げた「未来のアーチ」計画にまつわる道路整備などが、2013—16年の実施計画から除外され、軍警と協力して行っていた夜間の巡回警備やセントロ(中央部)での違法商取引の監視なども弱体化する可能性ありと17〜18日付エスタード紙が報じた。
ハダジ市長の選挙公約である「未来のアーチ」は、マルジナル・ド・チエテに並行して走る二つの大通り建設などを含む市街化計画で、アニャングエラ〜ヅットラ間の交通・運輸網の強化、拡張で経済活動が効率化すると期待されていた。
ところが、その大通り建設計画が着手される見込みが薄らいだ。というのは、16日朝の市議会での公聴会で、市企画局のレダ・パウラニ局長が提示した13—16年の実施計画から大通り建設が外され、「プロジェクト実施のための資金が不足」との発言もあったためだ。ハダジ市長や労働者党(PT)議員11人は公聴会を欠席した。
この発言が否定的過ぎると思ったのか、市広報官は同日午後4時頃、報道関係者向けに、大通り建設は別のプロジェクトに含まれており、計画が完全に消滅した訳ではないと釈明する文書を発表した。
マルジナル・ド・チエテの南側8・4キロと北側17・5キロを走る通りは、「未来のアーチ」対象地域(イビラプエラ公園の約40倍の6千ヘクタール)の人や物の流れを促すためのものだが、専門家は、6月の〃抗議の波〃はサンパウロ市政に公共交通の問題解決を優先させる政策をとらせたと分析。大通り建設などは後回しにせざるを得なくなったようだ。公聴会では、レダ局長が「未来のアーチは人のいる所に仕事を増やし、仕事のある所に人を移動させるのが本来の目的」とし、大通り建設計画が遠のいた事の衝撃を和らげようと試みる姿も見られた。
野党は発表後、「サンパウロ市の真の市長はジョアン・サンターナ氏(ハダジ氏の選挙参謀)さ」と皮肉り、「金がないはずはない」と批判したが、レダ局長は、強盗や強盗殺人防止策としてサンパウロ州政府と提携して行っていた「オペラソン・デレガーダ」は、選挙公約でも現市政の優先項目でもないので一部中断とも発表した。
ハダジ市長と軍警のベネディト・ロベルト・メイラ司令官はそりが合わないとされていたが、これにより、軍警による夜間巡回や違法商取引取締りなどでの協力関係は解消される事になる。市長側は軍警に治安維持に集中する事を求めたが、軍警は、カサビ市長時代に導入された露天商の取締りやナイトクラブ、不法なタクシーの監査なども必要と主張していた。現市政では、海賊版売買などの違法な商取引や無許可での露天営業などの取締りを行う軍警数が3439人から1853人に激減。監視役の市警備隊員数も減っており、3月25日街などでは露天商の姿が増えている。セー広場などでは路上生活者の数も急増中だ。