ニッケイ新聞 2013年8月22日
達増拓也・岩手県知事によれば、同県ではまだ3万7千人が仮設・応急住宅に住んでいる。今後必要とされる支援は「実際に来てもらったり、気持ちのこもった贈り物や励ましの手紙をもらったりすること」だという。
「生活そのものは困っていない」という物質面とは裏腹に、先が見えない仮設住宅での暮らしを支える、精神的な支援が求められている。
これまでブラジルから多額の義捐金が寄せられ、被災者応援ツアーまでが訪日した。知事の言葉からは最遠方国ブラジルからの厚い支援に喜ぶ被災者の姿がうかんだ。
震災支援を機に、母を慕うがごとく母県を想う移民に、親しみを感じた県民も多かったのではないか。式典に訪れた28人もの慶祝団は、そんな県民の想いを代弁しているようだ。震災という危機を経て、むしろ〃母子〃の絆が更に強まったに違いない。(阿)