ニッケイ新聞 2013年8月23日
労務省が21日、7月の雇用創出としては過去10年で最低の4万1500人で、大都市圏の採用者数は解雇者数を下回ったと発表と22日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
18万3996人の雇用創出があった昨年同月比77・5%減、2003年の3万7200人に次ぐ最少記録は皆の期待を裏切り、1〜7月の累積も90万7千人という事実を前に、今年は140万人の雇用創出を目標としていた労務省も、目標には触れずに会見を終えた。1〜7月の累積も、国際的な金融危機で景気が減退した2009年以来の低い数字だ。
雇用創出数は採用者数から解雇者数を引いたもので、03年の場合は遅れて申告したものも含めれば5万7千人の雇用創出となっていたため、今年の7月は03年を下回る可能性もある。
雇用創出数の落ち込みは、景気回復の遅れと企業家や消費者の先行き不安が原因で、1万8100人増の農業部門も昨年同月比24%減、その他の雇用増はサービス部門1万1200人、民間建設部門4900人、商業1500人などだ。前年同月比では、商業93%、民間建設80%、工業やサービス71%の減少を見た。鉱業部門や公共の工業サービス部門では、解雇者数が採用者数を236人と1300人上回っている。
7月は、国内九つの主要都市圏での雇用創出が減少するという、こちらも03年以降、初の現象が起きた。採用者数が解雇者数を上回ったのはベレン大都市圏(以下、都市名のみ記載)の1473人とフェルタレーザの803人のみ。その他はリオ622人、クリチバ1038人、サルバドール1069人、サンパウロ1455人、ベロ・オリゾンテ1657人、ポルト・アレグレ2280人、レシフェ5213人の雇用減となった。
財務省は今年の経済成長見通しを3%、中央銀行も同2・7%としているが、雇用状態は経済成長率が0・9%だった昨年より悪化している部分さえあり、一部専門家は雇用状況が更に悪くなる可能性も口にし始めた。地理統計院(IBGE)が22日に発表した失業率は5・6%で、6月の6%よりやや改善。平均所得は1848・40レアルで6月より0・9%減ったが、昨年同月より1・5%増。それでも。インフレ調整後の実質給与は目減りしており、購買力低下やそれに伴う消費減退、工場や商店の在庫増などを招いている。