青年40人が亡命希望=世界ユースデーで来伯後=宗教迫害のないブラジルは天国
ニッケイ新聞 2013年8月24日
7月23〜28日に開催された世界ユースデー(JMJ)の後、ブラジルへの亡命を申請中の青年が少なくとも40人いる。JMJに参加するために来伯したが、帰国する事もままならない青年達の様子を23日付エスタード紙が報じた。
24歳のAさんはイスラム教国に住むカトリック信者で、「一度でいいからローマ法王と個人的に会ってみたい」という祖父らと共に、家族で信仰を守ってきた。
だが、イスラム教国でキリスト教の信仰を保つ事は容易ではない。「JMJに参加したら殺す」と脅迫されていたAさんは、国に帰れば自分も家族も殺されるとして、リオ市北部のカトリックの施設に身を寄せている。「JMJの間、何百万もの人々が信仰をあらわにし、神をたたえる歌を声高に歌ったり叫んだりしているのを見て、本当に自由を感じた」というAさんは、「大学でジャーナリズムと芸術を専攻したけど、クリスチャンだと言うだけで仕事にもありつけない」という。
Aさんが滞在している施設には、JMJに参加後にブラジルに亡命を申請した20代青年が他にもおり、母国で受けた迫害の生々しさを伝える傷痕を残す青年もいる。
「イスラム教に改宗しろと言われ続けてきたけど、首を切り落とされても信仰は捨てない」と言う青年は、母国ではイスラム教徒でないと、水一杯とて飲ませてはくれないという。「父親と7歳だった妹は殺され、母親も町から逃げ出した。精神的な圧力は物凄く、肉体的な迫害より辛い」と言う別の青年は、「亡命者としての生活は母国でのものよりずっと良い」と話している。
教会関係の施設に身を寄せて亡命申請をしている外国人青年はサンパウロ市などにもおり、ポルトガル語を習い、連邦警察での面接予約をするなど、種々の準備を進めている。少なくとも40人いるとされているJMJ参加の青年巡礼者達の亡命の可否は、法務省国家難民委員会(Conare)の審査を待って決まる。
国連の難民高等弁務官事務所駐日事務所(UNHCR、ポ語はAcnur)によると、亡命は、本国での政治的・宗教的・人種的迫害やその恐れから逃れ、他国に保護を求める行為で、ブラジルへの亡命者や難民は、2010年566人、11年1138人、12年2008人と増加の一途だ。
近年特に注目されているのは、化学兵器の使用判明で国際的な批判が高まっているシリアで、ブラジルでは11、12年に国籍別で6位にあたる121人を受け入れた。13年の難民受け入れ総数は約2500人と予想されており、シリア国籍者は6月までに152人を受け入れた。