ニッケイ新聞 2013年8月24日
サンパウロ市の公立学校生徒の送迎を行っているバスの運転手たちが22日、賃金の値上げを求めてデモを行った。送迎バスが一斉に通りに繰り出したために市内の交通は混乱、生徒たちの足にも影響が出た。23日付伯字紙が報じている。
22日午前6時30分頃、公立学校の無料送迎バス運転手たちは、ワシントン・ルイス大通りや5月23日大通りなど、市内5カ所に一斉に繰り出した。
運転手たちは、午前10時45分頃、サンパウロ市中央部のリベロ・バダロー通りにある市庁舎の前に集結した。市庁舎前には送迎バスが100台以上ひしめきあう異様な光景が広がり、同通りの手前にあるお茶の水橋は、送迎バスによって完全に占拠された。このため、同日午前中の渋滞は、通常とは異なる10時半にピークとなり、その距離も平日の平均を上回る102キロに達した。
学校輸送協会(Artesul)のエーリオ・メネゼス会長によると、送迎バス運転手の月収は3千〜8千レアルだが、毎月の経費も6千〜8千レアルかかる。このため、バスのサイズに応じて市から受け取る1700〜2800レアルの援助を3千レアル上乗せし、キロ0・25レアルの走行距離ごとの支払いも、1・75レアルにするよう求めている。
これに対し、サンパウロ市交通局のジルマル・タット局長は「5月に既に700レアルの調整を行っており、これ以上の調整には応じられない」としている。送迎バスの契約見直しは来年の予定にと市は主張している。
送迎バスは結局、18時30分までお茶の水橋を占領した。交通工学公社(CET)の発表によると、この日のデモに参加したバスは178台で3560人の生徒に影響が出たという。サンパウロ市が契約している送迎バスは1983台で、7万1千人の生徒が利用している。
サンパウロ市スクールバス運転手組合(Sinetesp)のルルジーニャ・ロドリゲス会長によると、26日に再びデモを行うという。