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米国企業がFMU買収=通信教育は拡大の一途=私大33%を5社が経営

ニッケイ新聞 2013年8月27日

 世界各地で70校以上の大学を運営する米国の大学ネットワーク「ローリエット・インターナショナル・ユニバーシティーズ」が23日、サンパウロ市を中心にキャンパスがある私立大学FMUを10億レで買収すると正式発表した。23、24日付伯字紙が報じた。
 この買収で、FMUを含むローリエットグループは21万3千人の学生を擁する、国内で4番目に規模の大きな大学群となる。今年4月、ベロ・オリゾンテに本社のある「Krotonエドゥカシオナル」と「アニャングエラ」が合併して国内1位(学生数83万9千人)、同時に世界最大規模の私立大学となったが、この米国企業の参入で、国内の私大の33%が5企業によって経営される状態となる。
 FMUのアルトゥール・デ・マセード副学長は、近年拡大の一途をたどっている通信教育の充実を優先して行いたいとしている。教育コンサルタントのカルロス・モンテイロ氏によれば、大手グループは近年、従来型の通学形態より安値で行える通信教育にこぞって投資しているという。
 専門家らは、大学ネットワークの合併、買収の動きはこの先数カ月間続くとみているが、今後の課題は、これらの教育機関によって提供される教育の質だ。ローリエットが経営するサルバドール大学、ポティグァール大学(リオ・グランデ・ド・ノルテ州)、アニェンビー・モルンビー大学はそれぞれ、昨年フォーリャ紙が行った大学ランキングで、188の大学中、96、152、156位だった。
 ローリエットは1998年米国ボルティモアで設立され、南米には2000年のチリ、メキシコの私立大学買収を皮切りに進出。ブラジルへの進出は2005年のアニェンビー・モルンビー大学の買収が皮切りで、ブラジル内の教育機関の買収はこれで12件目となる。
 24日付フォーリャ紙のコラム欄によれば、ブラジルの私立大学は投資家にとって有望な市場で、高卒で大学には行っていない25歳以上の潜在的な〃顧客〃が1500万人いる。国内の大学数や学生数は90年代以降増加しているが、地理統計院(IBGE)によればブラジルの大卒者は11%のみだ。
 昨今は連邦政府の学生融資基金(Fies)を利用して大学に行く人も増えており、2012年の利用者は前年比140%増の36万8千人となっている。