ニッケイ新聞 2013年8月29日
パラナ州のロンドリーナ市が、病気をもたらす危険をはらむ鳩を遠ざけるため、鳩が嫌う音波を発生させる最新式の電子機器を設置した。
同市では、昼間は郊外に飛んでいくが、夜は市内に戻って寝るという鳩が数千羽に及び、フン害や病気の感染源となる事を懸念する市民達の頭痛の種となっている。ロンドリーナ市では、鳩のフンの中にいる菌が原因で起きる病気の患者が、過去5年間で3人死亡している。
市当局は鳩を捕獲して殺すといった対策も考えたが、この方法だと環境問題の専門家達から批判を浴びるため、電子式鳥除け器の導入を決めた。虫除けクリームやスプレーを示すrepelenteという言葉と同じ語源からとったa repelencia eletromagneticaと名づけられた器械は、鳩が嫌う音波を発生させて鳩を遠ざけ、別のねぐらを探すようにさせるといい、バスのターミナルなどでは、鳩の数やフンによる汚れが減ったと好評だ。
だが、市民の期待を裏切ったのは、随所に設置した器械がすべて順調に機能している訳ではない事。同市中心部では信号機につけた器械が機能せず、鳩を遠ざけるどころか、すぐ脇に巣を作る鳩のつがいがいるなど悩みの種は尽きない。
当局者は、「器械の設置を担当した会社には鳩が駆除できたら支払うという約束になっている」と言うが、さじを投げた市民達は、鳩を見たら息を止めて足早に通り過ぎる事にしているとか。(28日付グローボ局ニュースならびにサイトより)