ニッケイ新聞 2013年8月30日
8月25日にブラジリアのマネ・ガリンシャ・スタジアムで行われたコリンチャンス対ヴァスコ・ダ・ガマ戦で、コリンチャンスの2つの応援団の間で衝突が起き、警備の警官まで暴行された事件で、写真に写ったコリンチャンスファンの市議は、サンパウロ州カンピーナス市の市警備隊員でもある事が判明した。
スポーツ観戦中に暴力事件などを起こした人物は、最長3年間、スタジアムへの出入りが禁じられるが、25日の乱闘で警官を蹴飛ばしている証拠写真が残っているコリンチャンスファンで労働者党(PT)所属のサンパウロ州フランシスコ・モラット市のライムンド・セーザル・ファウスチノ市議は、カンピーナス市の市警備隊員としても働いている。
カンピーナス市保安局によると、ファウスチノ氏は医師の指示を受けたとして今月15日から休職中だ。市警備隊本部には、同氏に対する内部告発が少なくとも15件あり、今年だけで2回、停職処分を受けている。
内部告発の内容は、反抗、規律違反、命令への不服従などで、今回の乱闘事件にも関与していた事を知った市警備隊は、この件についても調査を行なう事にした。
カンピーナス市保安局のルイス・アウグスト・バッジオ局長は、「同じ制服組の警備員(軍警)に対する態度は市民の安全を守る立場の者としてあるまじき行動だ。本当に健康上の問題で休暇をとったのなら、ブラジリアまで観戦しに行った事も納得できない」と語っている。
乱闘事件の写真には、今年2月にボリビアで起きた、コリンチャンスファンが発射した信号弾でボリビア人ケヴィン・エスパーダ君(当時14)が死亡した事件に関与したとして、約5カ月間同国で身柄を拘束されていたレアンドロ・シウヴァ・デ・オリヴェイラ、クレウテル・バレット・バロスの両氏も写っている。
サンパウロ州サッカー連盟は、これら3人のコリンチャンスファンに同州内のスタジアムへの90日間の入場禁止を言い渡した。連邦直轄区政府は、コリンチャンス応援団のガヴィオンエス・ダ・フィエルとトルシーダ・インデペンデンテに2年間のマネ・ガリンシャ・スタジアム入場を禁じたが、ガヴィオンエス側は、乱闘の当事者だけを対象にすべきだと抗議している。(8月29日付グローボ局サイトより)