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世界柔道選手権=シルバ選手が金メダル=ブラジル女子柔道界初の快挙

ニッケイ新聞 2013年8月30日

 リオのマラカナンジーニョ体育館で26日から開催中の「第31回世界柔道選手権大会」で28日、女子57キロ以下級でブラジルのラファエラ・シルバ選手(21)が、ブラジル人女子選手としては初めての同選手権での金メダル獲得という快挙を成し遂げた。29日付各伯字メディアが報じた。
 決勝戦の相手は米国のマルティ・マロイ選手で、ラファエラ選手が開始46秒で技をかけ、主審判が一本の判定を出した瞬間、会場は熱狂の嵐に包まれた。相手を押さえつけていたラファエラ選手は涙をこぼしながら体を起こし、両手を挙げて喜びをかみしめた。
 「貧富、肌の色は関係ない。私を批判した人たちに、世界チャンピオンになった今日の私の姿を見せつけたい」—。昨年のロンドン五輪で、積極的な攻勢で技ありを奪ったにもかかわらず、審判の反則判定でまさかの二回戦敗退という屈辱を味わったラファエラ選手。大会後は簡易投稿サイト「ツイッター」に、肌の色を露骨に差別する表現が含まれた中傷コメントなどが書き込まれ、論争を呼んだ。
 一時は引退も頭をよぎり、63キロ以下級への階級移行も試みたが、やはり57キロ以下へと戻して挑んだ今大会。ロンドン五輪での痛恨の思いを晴らすかのように、国際柔道連盟の世界ランキング1位のオトーヌ・パイヴァ選手(フランス)を準決勝で破る快進撃を見せた。
 映画「シティ・オブ・ゴッド」の舞台となったリオ西部のファベーラで生まれ育ったラファエラ選手。8歳で柔道に出会って頭角を現し、以降厳しい稽古に耐え、2008年には16歳で世界ジュニアチャンピオンに輝くなど国際大会での実績を積み重ねてきた。
 今大会のブラジル勢のメダル獲得は、サラ・メネゼス、エリカ・ミランダ両選手の銅、銀に続く3個目で、女子選手の活躍が著しい。過去の世界選手権でブラジルが獲得した金メダル4個はいずれも男子選手によるものだった。