ニッケイ新聞 2013年9月3日
国内面の記事にする事は少ないが、日曜日のエスタード紙のオポルチュニダーデス(機会)やエンプレーゴス(雇用)などの記事に興味をひかれる事がある。1日付前者には「起業家となるのに適した年齢があるのか」という記事や60を過ぎて起業した人の話、後者には「若くして経営者となる人々」という記事や対人関係をどう築くかが成否を分ける事などが書かれている▼若い人の方が有利な点は、決断が早く、即座に対応できる事や、身軽な分、リスクがあっても挑戦できる(失敗が許される)事などだが、経験の豊富さや円熟味はある程度年齢がいった人の利点だ。40〜50代で起業して成功する人が多いのは、若い人と熟年者の両方が持つ利点を活かせる年齢だからだろう▼そういう意味で、年齢や経験の異なる人と一緒に仕事をしたりする事で、 互いの持ち味や利点を引き出せれば仕事の幅や安定度は格段に増すだろう。よい相棒や助言者を得たリーダーが、一人で全てをこなす天才型より良い仕事をする例も多い▼前の会社で揉まれた事で職能や円熟味という点で成長したという体験談や、過去の失敗は新しい仕事を始めるための貴重なレッスンになったという話にも納得がいく。一緒に仕事をする人の感性や考え方の違いなどをどう受け入れ、認め、かつ活かすかが鍵だ▼父親が持つ知識を息子に教え、後を継がせようとする例も二つ出てくるが、親子3代で政権を握る北朝鮮や次男が後を継いだシリアのように、世襲制で問題を抱える例は繰り返して欲しくない。「夢」を追い続ける「永遠の青年」と起業の関係もいつか知りたい事の一つだ。(み)