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マイス・メジコス=初日から欠勤・辞退相次ぐ=ボイコットの可能性も?=労働環境の劣悪さに不平

ニッケイ新聞 2013年9月5日

 【既報関連】連邦政府の医師派遣計画「マイス・メジコス」の第一陣として2日、ブラジル人医師1096人が全国454市で着任したが、サンパウロ州では医師の派遣を要請していた22の自治体のうち、12市で初日から医師が欠勤、あるいは辞退していた。3日付エスタード紙が報じた。
 サンパウロ州で新たな医師の着任が予定されていたのはサンパウロ市やカンピーナス、グァルジャー、イタクァケセトゥーバなどの22市。辞退者は公務員試験に合格した、私立の診療所に勤務することにしたなど個人的な理由を挙げており、中には、引越しするための許可を軍が出してくれないなどという例もあった。
 政府の取り決めでは、着任初日は病院内の説明などに充ててよいことになっており、ブラジリアでは初日と2日目を研修に充てるなど、実務開始の日は各自治体の判断にゆだねられている。欠勤者は今後、各自治体の責任者に欠勤の理由を申告の上、欠勤日をどう埋め合わせるかの協議が義務付けられる。
 22市のうちの一市サンタバルバラ・ド・オエステでは、着任予定だった医師一人の辞退が既に正式に伝えられ、カンピーナスでは5人のうちの1人が前日に辞退、もう1人は理由も明かさずに辞退を申し出た。
 他州でも同様の事態が起きており、ペルナンブコ州レシフェ市では12人のうち半数が姿を見せず、サルバドールでは34人のうち出勤したのは18人。ピアウイー州に至っては、初日に出勤したのは着任予定の23人のうち2人だけだった。
 マラニョン州のインペラトリス市で出勤したのは4人中1人。同地の初期医療のコーディネーター、アンデルソン・ナシメントさんは「こんな大量欠勤は明らかなボイコット。プログラムに本当に関心があって申し込んだんじゃない」と憤る。
 また4日付フォーリャ紙は、インフラの脆弱さ等を含めた勤務地の状況や規則を事前に知らされていなかったなどと主張する医師の声を報じている。
 同プログラムの第一次募集では、全国3511市から1万5460人の医師派遣が要請されているが、政府は辞退した医師の枠を埋めるべく追加の募集をするとみられる。外国人医師の着任は16日の予定だが、ブラジル人医師の辞退が多ければ、その結果として、外国人医師に依存せざるを得ない状況が予想される。