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リオ=B・ブロックス主犯逮捕=証拠の凶器を自宅で発見=1人には児童虐待疑惑も

ニッケイ新聞 2013年9月6日

 リオ市警が4日、マニフェストの際に暴力犯罪を働いていた「ブラック・ブロックス」の中心人物と見られる若者5人を暴力行為と犯罪組織形成容疑で逮捕した。5日付伯字紙が報じている。
 8月15日付本紙でも報じたように、サンパウロ市やリオでのデモの際に、マスクで顔を隠した「ブラック・ブロックス」と呼ばれる集団が混乱に乗じて、銀行の現金自動預け払い機や商店街を襲うという、デモの主張とは直接関係のない暴力犯罪を行うことはかねてから問題視されていた。
 これに伴いリオ州議会では2日、マニフェストの際に顔を隠すことが禁じられ、従わない場合は警察に連行し、犯行履歴の有無の照合を行うという条例を承認した。
 リオ市警は4日朝、リオ市内で「ブラック・ブロック・リオデジャネイロ」と呼ばれるサイトの運営者と見られる5人を逮捕した。うち2人は未成年者だった。
 5人はサイトを運営していたことは認めたものの、そのサイトが暴力犯罪を挑発していたことは否定した。だが、主犯格と見られるダニエル・ギマリャンエス・フェレイラ容疑者(21)の自宅からはガスマスクや黒い帽子、ナイフ、木片に釘を打ち付けた「ジャカレー」と呼ばれる投げ道具が発見されている。同容疑者の未成年の弟も身柄を拘束された。
 また、通称「ジェアン」と呼ばれる18歳の容疑者のコンピューターからは児童ポルノが発見され、児童性愛の容疑もかけられている。
 この5人は警察に連行されたが、未成年2人に関しては、親が裁判に出頭させることを条件に釈放されている。
 リオ市警は7月からブラック・ブロックスの調査を行っており、現在までに同団体と関わったとされる21人の身元を確認している。その中には政治家や教師からなるグループも含まれているという。市警では、これらの人物は警察などとの衝突事件には直接かかわっていなくても、指導的立場にいるのではと疑い、調査を進めている。
 ブラジル弁護士会(OAB)リオ支部のグスターヴォ・プロエンサ弁護士は、「2人の兄弟以外はお互いの面識がないのに犯罪計画は考えにくい」との見解を示しているが、フェリッペ・サンタクルス支部長は「暴力問題の解決につながれば」と市警に好意的な発言を行っている。
 5人の容疑者逮捕後、「ブラック・ブロックRJ」は「9月7日にプレジデンテ・ヴァルガス大通りでデモを行う」との投稿を行っている。