ニッケイ新聞 2013年9月6日
今年県人移住百周年を迎えた岐阜県で、デカセギ子弟を支援するNPO「Mixed Roots×ユース×ネット★こんぺいとう」(美濃加茂市、渡辺マルセロ代表)が3月、『岐阜県人ブラジル移住百年誌』(123頁)を制作した。8月25日に当地で行われた記念式典にあわせて来伯した岐阜県庁国際戦略推進課の江尻長門さんから、弊紙に贈呈された。
岐阜県人の移住史から、当地で偉業を残した県人や当地在住の県出身の戦後移住者、ブラジルと関わりある県内の団体や交流の様子、県内のデカセギ子弟の人物紹介など、移住の始まりから現在までの岐阜県とブラジルとの関係の歴史を紹介するもの。オールカラーで写真が多用され、小学生も読める平易な日本語で書かれ、ポ語訳も併記されている。
「翻訳やデザインに時間を要したが、8月の式典に間に合ってよかった」と話す同団体のアドバイザー、愛知淑徳大学の小島祥美准教授は、「移民の歴史から、現代につながる内容の3部構成にした。県内に暮らす外国人住民に対する理解を深め、多文化共生社会作りに貢献したい」としている。
岐阜県国際交流センターの「国際交流・多文化共生推進事業」の助成で、関係者約20人が執筆、寄稿した。本は今後県内の学校の授業で使用され、移民学習に役立てられる。