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メンサロン=上告裁判終了は持ち越し=接戦投票審理は11日に=現時点で減刑は3人のみ=「議員即罷免」も変わらず

ニッケイ新聞 2013年9月7日

 メンサロン裁判は5日、上告裁判の最初の段階を終了したが、現時点で刑が軽減されたのは25人の被告中3人のみという厳しい結果となった。また、無罪との票を4票得たが僅差で有罪となった11人の上告に関する審理は11日に持ち越された。6日付伯字紙が報じている。

 メンサロン裁判の上告25人分の一次審査は5日で終わり、この時点での刑軽減は被告25人中3人のみとなった。
 減刑となったのは進歩党(PP)で賄賂の分配を行った仲介業者ボーヌス・バンヴァルの共同経営者のエニヴァウド・クアドラド被告とブレノ・フィッシュベルグ被告、PP下院議員の秘書室長で現金の引き出し役だったジョアン・クラウジオ・ジェヌ氏の3人で、エニヴァウド被告は3年6カ月の実刑が罰金と社会奉仕に変わり、フィッシュベルグ被告は5年10カ月が3年6カ月に、ジェヌ被告も5年が4年に服役年数が減った。
 だが、減刑となったのは事件の中心とは言えない人物ばかりで、メンサロンを計画した労働者党(PT)関係者や4人の現職下院議員に関する上告は基本的に全て却下された。さらに4日には、注目されていた現職議員の処遇に関し、「メンサロン裁判で有罪となった議員は議会での審議なしに罷免とする」という、昨年12月に下した判断を継続するという見解も明らかにした。
 5日には、判事投票で5対4と接戦だった罪状(犯罪組織形成かマネーロンダリング)のある11人の被告(各人にどちらか一つずつ)に対する再審理を行うか否かの審理も始まった。ジョアキン・バルボーザ長官はこの件に関し、「接戦だった罪状の再審理を認めると裁判が終わらなくなる」とし、同裁判を早く終えることを望んだ。同長官は5月、メンサロン計画の主犯者の1人との判決を受けたデルービオ・ソアレス氏の弁護士からの「接戦だった投票の再審理を」との上告を拒否しており、この日もその主張を通した。
 バルボーザ長官は「接戦審理の拒否」に票を投じたが、その直後に、ルイス・ロベルト・バローゾ判事が「接戦投票だったものが存在する限り、法廷で再弁護する機会を弁護士に与えるべき」と主張した。これによりこの日の投票は中止され、接戦投票に関する再審理の件は11日に持ち越されることとなった。
 11日に再開される接戦投票の再審理に関する件が否決され、全ての上告が却下された場合、被告の刑執行が即有効になると見られている。
 3日、ジョゼ・ジェノイノ被告は、健康上の理由で下院議員の職務継続が不可能として退職手続きを行った。最高裁決定での罷免が有力となり、立場が危うくなった同氏だが、退職手続きが認められれば毎月2万6700レアルの退職金を受け取ることになるため、議会の判断次第では新たな物議を醸しそうだ。