ニッケイ新聞 2013年9月10日
フォーリャ紙が2012年から始めた全国大学ランキング(RUF)調査の13年度の結果が9日付同紙で発表され、サンパウロ総合大学(USP)が昨年の調査に引き続いて1位になった。
今回の全国大学ランキングは、昨年と基準を変えて行われた。昨年は、大学の論文や研究が出版されたり他の論文などに引用されたりしたなどの「学問調査」が全体の55%を占め、教授陣や学力向上度などの「授業内容」が20%、企業における卒業生の割合を指数化した「労働市場」が20%、特許申請した数を指数化した「革新性」が5%となっていたが、今年は「学問調査」が40%に下がり、「授業内容」を32%、「労働市場」を18%、「革新性」を4%にした上、研究が国際的に発表されたことや留学生の受入を指数化した「国際性」が新たな要素として6%加味されている。
調査対象は192の大学またはそれに準ずる高等教育機関で、1位となったのは昨年に引き続きUSPだった。同大学は新入生と最終学年の学生に受けさせる学力試験(ENADE)に参加していないために「授業内容」のポイントが落ち、同部門で3位となったが、「国際性」では2位、残り3部門では1位を獲得した。
上位10大学の陣容に変わりはなく、リオ、ミナス・ジェライス、南大河、サンタカタリーナ、パラナ、ペルナンブーコの各連邦大学が2、3、4、7、9、10位となり、サンパウロ州のカンピーナス大学とサンパウロ州立大学が5、6位、ブラジリア大学が8位となっている。また、サンパウロ州のABC連邦大学財団は、総合順位は61位で高くはなかったものの、「国際性」で1位となった。
「優秀校」とされる上位25校は、15、19位に入ったリオ州と南大河州のカトリック大学を除くと全て公立大で、19校が南東もしくは南伯の大学だった。サンパウロ州は5校が入っていた。
また、部門別に計30の大学の学部の順位も発表されており、各分野で専門性の強い大学や財団が顔を覗かせているのも興味深い。例えば、「経営」「経済」の部門ではジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)が共に1位、「報道」の労働市場でカスペル・リベロ財団が1位など、サンパウロ州の財団が上位に入る。部門によってはマッケンジー大学の名前も少なくない。
5月に発表されたQSユニバーシティ・ランキングのラテン・アメリカの部では、USP1位、カンピーナス大学3位、リオとミナス・ジェライスの連邦大学がそれぞれ8、10位と上位で健闘していたが、昨年9月発表のQSワールド・ユニバーシティ・ランキングでは、最高のUSPでさえ139位と、まだまだ課題を残している。