ニッケイ新聞 2013年9月11日
3月6日に麻薬の過剰摂取で急死したヴォーカルのショロンに続き、人気バンド、チャーリー・ブラウン・ジュニアのベース奏者、シャンピニオン(35)が、9日未明にサンパウロ市の自宅で自殺し、波紋が広がっている。10日付伯字紙が報じている。
9日未明、シャンピニオンは西部モルンビーにある自宅アパートでピストル自殺した。銃は2回撃たれており、テストの1発目は床に向けられたが、2発目は自分の頭に押し当てて撃っている。
アパートには妊娠5カ月の妻クラウジアさん(32)がおり、一人で寝室にこもった直後の自殺だった。シャンピニオンは8日夜、妻と友人夫婦を伴って日本料理店に行き、日本酒を飲んだ。クラウジアさんによると、帰る直前にシャンピニオンと口論はしたものの、シャンピニオンは暴力的ではなく、薬物使用者でもなかったという。
シャンピニオンはサンパウロ州サントス出身で90年代後半からチャーリー・ブラウン・ジュニアのベース奏者として活躍していた。端正な顔立ちと確かな演奏で人気があり、ヴォーカルのショロンとはしばし「名コンビ」と称された。
05年にショロンとの確執が原因でバンドを脱退。自身のバンドを2度組むなどしていたが、11年にチャーリー・ブラウン・ジュニアに復帰し、バンドのヒットに貢献していた。
3月のショロンの急逝後、残されたメンバーで新バンド「ア・バンカ」を結成、シャンピニオンはヴォーカルとなり、リーダー格だった。
新バンドは全国ツアーなども組まれていたが、シャンピニオンはショロンの死後、財政難に陥って苦悩していた他のメンバーを支えなければいけないというプレッシャーや、新バンドに対する古くからのファンの批判に悩んでいたという。
また5月には、シャンピニオンが08年に結成したバンドのギタリストも自殺していた。