ニッケイ新聞 2013年9月12日
医療政策「マイス・メジコス」での外国人医師派遣をめぐり10日、セアラー州連邦裁判所が同政策施行後はじめて、外国人医師派遣に関する暫定差し止め判決を下した。11日付伯字紙が報じている。
外国人医師や外国の医学部で学んだ医師がマイス・メジコスで働く場合は国内の医学部卒業者と同等の力があるかを評価する試験を受ける必要がないが、各州地方医師協議会(CRM)が暫定登録を行なう必要がある。
だが、セアラー州医師協議会(Cremec)が出した、マイス・メジコスで働く医師の登録にも、先の試験合格を条件づけるようにとの訴えを受け、セアラー州連邦地裁が、外国で医療教育を受け、再評価のための試験に受かっていない医師の登録を行なくても良いとの判決を下した。この判決により、来週から同州に派遣される予定だった、キューバ人28人を含む34人の外国で教育を受けた医師の派遣が認められなくなった。
デボラ・サントス判事によると1996年発効の法令第9394号に則った判決で、外国の医学部で学んだ医師たちも最大6年のマイス・メジコスの任期中に再評価を受けて正式登録を受けられるはずとしている。
また、現在の状況は、自然災害や伝染病の流行など、外国人医師が早急に必要とされるような事態ではないともした。
Cremecのイヴァン・モウラ・フェー会長は「州民の安全を保障するために不可欠な決定」と喜び、「そうでなければ、質の高い対応は出来ない」と語っている。
セアラー州と同様の動きは他の州でも起きている。エスピリトサント州地域医療委員会(CRM—ES)はセアラー州と同じ条件で医師の登録拒否を訴え、裁判所の判断を待っている。ミナス・ジェライス、南大河、ペルナンブーコの各州では登録を認めるようにとの訴えが却下され、登録できなくなっている。
セアラー州での判決を受け、保健省は11日に上告の手続きを行った。