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『日本の水が飲みたい』=広橋さんの新小説を開始  

 

ニッケイ新聞 2013年9月12日

 

 本日から6面で開始される小説『日本の水が飲みたい』の著者は、戦後の技術移民の広橋勝造さん(68、福岡)=サンパウロ市在住=だ。医療機器販売会社を経営し、自ら営業に飛び回る忙しい生活をしている。「小説を書いている時間が、人生で一番楽しい時間」という広橋さんは、交渉相手である医者の空き時間を待つ間が執筆時間で、常にノートパソコンを持ち歩く。
 工業高校卒で、意外なことに「数学の成績は良かったが、国語は最悪だった」と振り返る。最初は衛星通信設備会社の派遣社員としてペルーに6カ月間駐在して帰国すると、「日本が面白くない」と感じるようになり、71年に技術移住し、テレスピ(電話局)に8年働き、「日系社会をあまり知らなかった」という。
 03年にポ語コントス(短編集)『Almas Cigana』(www.concise.com.br/hiro1.htm)をサイトで公開し、続いて日語で小説『昨日からの電話』『微生物』を上梓し、今回が小説3作目となる。
 広橋さんは「私の作品に必ずてくる〃ジョージ〃という二世は、実際に私の人生を助けてくれた二世恩人をモデルにしている」という。今回の小説にも登場し、主人公である日本からきた仏教僧中嶋がブラジルの大地に眠る開拓者の霊を弔い、布教して歩くのを手伝う。リベルダーデはもちろん、トメアスー移住地なども登場する。