ニッケイ新聞 2013年9月13日
【既報関連】サンパウロ市東部サンマテウス区で6月28日、複数のボリビア人家族が住む2階建ての民家が強盗集団に襲われた事件で、7月7日に発見された身元不明者の遺体が、7月1日に警察の包囲網をかいくぐって逃亡した容疑者2人のものであった事が確認されたとサンパウロ市警が11日に発表した。同日付G1サイト、12日付エスタード紙などが報じた。
同事件では5人が起訴されており、3人が逮捕されたが、逮捕された容疑者2人を含む4人が死亡した事になる。唯一の生存者は未成年で、現在少年院に入っている。
11日に身元が判明したディエゴ・フレイタス容疑者(20)は、当時5歳だったブライアン・ヤナリコ君を殺害した犯人とされていた。
同容疑者の遺体はサンパウロ市北部のジャルジン・コリスコ区で近隣住人によって発見されたもので、1発の銃弾の痕があった。また、その12時間前に同じ地区の空き地で発見され、12発の銃弾を浴びていた遺体は、10日にウェズリー・ソアレス容疑者(19)のものと確認された。
ウェズリー、ディエゴ両容疑者以外の18歳、19歳の容疑者はサントアンドレーの施設に拘留されていたが、獄中でアルコール、コカイン、防腐防臭剤のクレオリン、バイアグラが混じった液体を摂取し、中毒死していたのが8月30日に発見されている。
これら4人の死にはPCC(州都第一コマンド)が関わっているとみられており、サンパウロ市殺人人身保護課では今回の身元確認を受け、新たに捜査を開始するという。
事件当日、民家に押し入った容疑者らはブライアン君の両親らに金を要求して暴行、ブライアン君は母親の腕の中で泣きじゃくりながら「死にたくない。殺さないで」と訴え続け、犯人に自らがもつ小銭まで差し出したが、泣き声に苛立ったディエゴ容疑者はブライアン君の頭を撃ち抜き、仲間と共に逃走した。
その凶悪で非道な手口に在伯ボリビア総領事も憤りをあらわにし、事件当日の午後には少なくとも200人の在伯ボリビア人が地元警察署前でデモを行なっていた。