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乳幼児死亡率が77%低下=50歳女性の余命31年に

ニッケイ新聞 2013年9月14日

 国際連合児童基金(ユニセフ)や世界保健機構(WHO)の調査によると、ブラジルの乳幼児死亡率(5歳未満の子供千人当たりの死者数)が22年間で77・4%低下と13日付G1サイトやアジェンシア・ブラジルが報じた。
 1990年は千人当たり62人の乳幼児が死亡したが、2012年は14人に減り、乳幼児死亡率が高い方から数えたランキングは190カ国中120位となった。
 また、2012年に1歳未満で死亡した乳児は3万7千人で、乳児死亡率も千人当たり13人に低下。1990年に死亡した乳児は18万人で千人当たり52人だったから、死亡率は75%低下した事になる、4週間未満で死亡する新生児死亡率は、28人から9人に67・8%低下した。
 乳幼児死亡率が低い国はフィンランド、日本、シンガポール、ノルウェー、アイスランドなど、高い国はアフリカのシエラレオネ、アンゴラ、チャド、ソマリア、コンゴなど。
 生活様式の変化や医学の進歩などの恩恵を受けているのは成人もで、13日付G1サイトは、50歳女性の余命は過去25年間で6年伸び、31年になったとも報じた。
 ブラジル女性の平均寿命は75歳だから、50歳なら残りの人生は25年と考えがちだが、平均寿命は生まれたての子供が何年生きうるかを示すもので、ある年齢の人がこれから生きうる年(余命)は平均寿命引く年齢ではない。女性の余命が伸びている理由の一つは出産時に亡くなる人が減っている事で、健康に留意する傾向も男性より強い。50歳女性の余命は日本や米国より短いが、世界平均より長いという。
 余命の伸びは高血圧や糖尿病などの慢性病やガンなどに注意すべき人が増える事も意味するが、これらの病気の予防や早期発見が進めば余命は更に伸びるはずだ。WHOでは、2060年のブラジル女性の平均寿命は81歳で、90歳以上の女性の数は現在の20倍になると予測している。