ニッケイ新聞 2013年9月14日
「自分のルーツや、日本の文化ついて知らないデカセギが多すぎる」。そんな思いで執筆したのが『TUDO DEKASSEGUI E UM URASHIMA TARO』(2008年、ポ語、110頁)。
還暦を迎えたことを機に海を渡り、〃大好きな国〃日本に9年間住んだ。工場や警察の通訳として働く中で感じた気持ちを反映させつつ、日本からの移住が始まった歴史から、デカセギの時代までの流れを解説、両国の文化も比較する。
パラナ州クリチバ市出身。日本の歴史や演歌が大好き。20代前半には父の出身県である福島の県費留学で1年間を郡山市で過ごした。技術者として長く働いたのも日系の繊維会社。「いつかは日本で暮らしたい」という思いを2004年に叶え、今年5月に帰国するまで岐阜県美濃加茂市で暮らした。
前著を日本語訳し、デカセギ子弟の教育問題、ブラジル経済に関する内容を加筆したのが、『日本を元気にする国ブラジル』(日本語、127頁)だ。
「日本人に〃移民、日系人〃を通してみたブラジルの魅力を伝えたい」との願いを込め、中日新聞の記者の協力を得ながら一昨年、自費出版した。両著とも対象とする読者層は異なるが、共通するのは「移民たちによって結ばれた両国の繋がりについて知って欲しい」という思いだ。
「ポ語版は若い三、四世に、日本語のものはブラジルに来たばかりの人や、これからこちらに来ることを検討している人にぜひ手にとってもらいたい」と話した。
ニッケイ新聞でも『TUDO DEKASSEGUI〜』を20レアル、『日本を元気に〜』を30レでそれぞれ販売中。
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