ニッケイ新聞 2013年9月17日
6日夜、テレビを観ていたら番組が中断され突然、具志堅ルイス氏の訃報が流れた。翌日も葬儀の模様が各局で流れ、想像していた以上の生前の存在感や影響力がうかがわれて驚いた。
「沖縄県人の子孫の名に恥じないよう、頑張りたい」。彼は現役の大統領府広報長官だった時代、03年の移民95周年時、沖縄県人会の式典に出席してこう挨拶したという。
胃癌の手術をしたばかりで、不自由が多かったがブラジリアからわざわざ訪れた。直接招待状を渡したという当時の与儀昭雄会長に訊くと、沖縄の舞踊や民謡を見聞きして「子供の頃のことを思い出した」と話していたという。
その式典に出席して、久々に自分のルーツを感じたのかもしれない。日系社会とは遠いところにいたであろう同氏の、貴重なエピソードだ。直接会って、話を聞いてみたかった。(詩)