ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | PDT=マノエル労働相に汚職疑惑=夫人がSC州で企業に便宜=自らも贈収賄計画に関与か=悪用される若年労働者講座

PDT=マノエル労働相に汚職疑惑=夫人がSC州で企業に便宜=自らも贈収賄計画に関与か=悪用される若年労働者講座

ニッケイ新聞 2013年9月18日

 マノエル・ディアス労働相と、同氏の所属する民主労働党(PDT)が大規模な汚職に関与している疑いが持たれている。16〜17日付エスタード字紙が報じている。

 16日付エスタード紙は、マノエル氏夫人のダウヴァ氏が、お膝元のサンタカタリーナ(以下、SC)州で起きた三つの企業への汚職疑惑に関与していたと報じている。
 ダウヴァ氏は現在、PDTのSC州支部長をつとめているが、この汚職事件はダウヴァ氏が同州の労働住居社会援助局の局長をつとめていた2007年5月から10年7月の間に起こった。同氏は同州の全国雇用システム(Sine)のコーディネーターをつとめていたロドリゴ・ミノット氏と共に、入札もせずに決めた三つの団体に便宜を図っていた。
 サンタカタリーナ州の会計検査局によると、不正が指摘された3団体に渡った資金の合計額は210万レアルで、83%が労働省の資金だったため、08年から連邦会計検査院(TCU)に捜査を依頼していたという。
 3団体との契約は入札を行わずに締結されており、TCUも調査を行ったが、一応、違法性はないと判断したが、今回新たな書類が送付されたことで、ダウヴァ氏らの関与も含めた捜査が再開される。これらの団体は若者向けの職業訓練コースを行うという名目で資金を受け取ったが、講座とは無関係の大量の自転車購入とか用途不明の教材の水増し請求などを行っていたという。
 これらの汚職は、PDT党首であるカルロス・ルピ氏が労働相(2007〜11年)だった時期に起きている。ルピ氏は11年12月にジウマ大統領によって更迭されている。また、SC州はマノエル氏の郷里でお膝元としている州だ。
 また、17日付エスタード紙は、PDT前青年部長だったジョン・シエヴェル・ディアス氏が、マノエル氏が非政府組織を利用した汚職に関与していたことを暴露したと報じた。シエヴェル氏は08年にマノエル氏らが創設したレオネル・ブリゾラ大学の責任を任され、ADRヴァーレという団体から毎月1300レアルを受け取っていた。同団体は労働省と六つの事業で1130万レアルの契約を行い、便宜を受けていた。
 シエヴェル氏は同校の創設者でもあったマノエル氏から責任を任された後、同団体の責任者を紹介された。「なぜ公共事業をする団体が自分に報酬を支払うのか」と不自然な金の流れを疑問視したというが、党の有力者であるマノエル氏には逆らえなかったという。
 PDTと労働省に関する不正は引きもきらず、連邦警察は、SC州会計検査局がTCUに書類を送検した9日にパウロ・ロベルト・ピント労働局長を、ミナス・ジェライス州の非政府団体である世界市民発展機構(IMDC)への、若年労働者用コースを名目(履行されず)とした多額の賄賂の横流しへの便宜を図った疑惑によって摘発、同局長は釈放されたが、翌日辞表を提出。同件では、9日だけで労働省幹部職員を含む22人が逮捕された。