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一家5人を遺体で発見=大サンパウロ市圏で事件相次ぐ

ニッケイ新聞 2013年9月19日

 大サンパウロ市圏のフェラス・デ・ヴァスコンセーロス市のアパートで17日未明、7〜16歳の子供4人と母親の42歳女性が遺体で発見されるという事件が起きた。18日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
 亡くなったのは看護助手のディナ・ヴィエイラさんで、警察は同日夜、交際相手だった住所不定無職のボリビア人男性(33)を逮捕したが、亡くなった女性が子供を殺害して自殺した可能性も残っており、事件の全貌は未だ明らかになっていない。
 遺体に暴力を受けた跡はなく、室内には至るところに吐瀉物や糞便がみられたことから、警察は毒殺の可能性が強いとみて調べている。また、室内には黄色の液体が入った水差しとケーキの塊、鍋に入ったスープが残されており、これらの食品も鑑識に回された。
 拘留されたボリビア人のアレックス・ギノネ容疑者は17日、ディナさんの自宅に電話をしたものの誰も出ず、不審に思いアパートを訪ねたところ、窓から半裸で倒れている子供2人の姿が見えたため、隣人とともに部屋のドアを破って遺体を発見したと話している。
 同容疑者にはディナさんから08年、09年、今年の3度にわたって脅迫の被害届けが出されており、05年に盗難容疑で懲役2年の実刑判決が出ている。
 大サンパウロ市圏では先月から、強盗などに入られた形跡がなく一家全員が殺される同様の事件が連続して起きている。8月にはサンパウロ市北部で自殺した13歳の少年を含む一家5人が亡くなり、今月に入ってコチア市では夫婦と子供2人が死亡。台所の壁には鉛筆で「もう子供の面倒を見てやれなくなった」と書かれており、39歳の夫が3人を殺害して自殺したものとみられている。
 サンパウロ市中西部では今月15日、借金をしていた母親が14歳と13歳の姉妹を殺して自殺を図るという事件も起きている。