ニッケイ新聞 2013年9月20日
サンパウロ市近郊のフランコ・ダ・ロッシャで18日、MRSロジスティカの貨物列車が脱線し、隣の線路を走っていたパウリスタ都電公社(CPTM)の旅客列車を直撃、16人が負傷するという事故が起きたと19日付伯字紙が報じた。
事故発生は午前11時20分頃で、CPTM7号線(ルビー)のフランコ・ダ・ロッシャ駅(以下、FR駅)〜バウタザル・フィデリス駅(以下、BF駅)間で、ミナス州からサンパウロ州内陸部アルミニオへの貨物を積んだ35両編成の列車が脱線し、FR駅に入るために減速し始めていたルス方面行きの旅客列車の最後尾を直撃した。
衝突のショックで列車乗客は折り重なるように倒れたりしており、16人が骨折などの重軽傷を負った。足の骨を折った婦人が手術を受けたのを始め、負傷者の内6人は19日朝も入院中だ。
脱線した貨物車両は最終的に7両となり、復旧に時間がかかりそうだ。FR〜BF両駅間はバスによる代行運転が行われており、19日朝のFR駅はBF駅からバスで来て再び電車に乗るジュンジアイ方面からの乗客が駅の外まで列をなした。事後処理が終わって、両駅間が完全開通となるのは20日以降となる。
脱線が起きた原因は不明だが、今回の事故で改めて指摘されたのは、CPTMの6路線中五つで貨物列車と旅客列車が並行して走る事に伴う安全上の問題だ。旅客列車と同じ線路を使って貨物を輸送するのは1992年に締結された連邦政府との契約に基づくもので、10〜15時と22時〜翌日3時の二つの時間帯は貨物列車が旅客列車と同じ線路を利用する可能性がある。CPTMは事故の後、貨物列車を並行して走らせる現行方式の撤廃を約束。貨物列車を並行して走らせると旅客列車の速度や運行計画にも影響するため、当面は貨物列車の運行を深夜から未明に限定、将来的には環状鉄道の建設も含む解決策をと考えている。