ニッケイ新聞 2013年9月21日
フランス系の大型小売店のカレフールとポン・デ・アスーカル・グループ(GPA)が、自社店舗込みのミニショッピングセンター建設でも競争心を露わにしている。
最初に自社店舗込みのミニショッピングを建設したのはGPAで、リオ州バーラ・ダ・チジュッカに4千万レアルをかけ、1万2500平方メートルのショッピングを建設した。最大規模の店は自社のハイパーマーケットだが、18万9千平方メートルは貸し出し用で、広域販売網も持つセンタウロやアロー・ベベといった主要店舗五つと、小規模店40が開業中だ。14年には貸し出し面積を10万平方メートル増やす意向だ。
これに対し、国内の小売業界で売上2位のカレフールも、自社店舗を中心に据えたショッピングを10カ所で建設する計画を立案。9月上旬にはフランス本社からの視察団も来伯した。
自社店舗を中心とするショッピングセンター建設は、ハイパーマーケットとしての自社店舗を利用する顧客が他の店でも買い物をしてくれれば、他の店も潤う上、他の店の顧客が自社店舗で買い物をしてくれる可能性も高い。また、顧客数の増加という相乗効果の他に、家賃収入が増えるという利点がある。
カレフールのショッピング構想は、手頃な価格で色々な物が1カ所で買えるハイパーマーケットに通うB、Cクラスを念頭に置いており、サンパウロ市近郊のオザスコ市のショッピングでは、ナイキ商品を割引価格で提供するナイキ・ファクトリ・ストアーのような店が一角を占めている。
専門家は、大型小売店が建設するミニショッピングの家賃は伝統的なショッピングセンターより30〜40%安く、内陸部などでは60%安いところもあるという。フランス系の2大大型小売店のショッピング建設競争は、ショッピングセンターのイメージや利用者層を変え始めており、小売業界全体の大きな転機ともなってきている。(13日付エスタード・デ・サンパウロ紙より)