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違法建築で取り壊し命令=せっかく建てた学校なのに

ニッケイ新聞 2013年9月24日

 パラナ州内陸部のラランジェイラス・ド・スル市で、せっかく建てた学校が違法建築に当たるとして、開校前の取り壊し命令が出た。
 650万レアルを費やして完成した学校は高校課程と専門教育コースを併設したもので、2014年に開校予定だった。
 ところが、輸送インフラ局(DNIT)が、同校は高速道路に隣接して建てられており、高速道路の周辺には幅15メートルの安全域を確保すべしという安全規定が守られておらず、高速道利用者と生徒達の安全を保障出来ないと指摘。同州地方裁判所が、違法と指摘された部分の取り壊しを命じた。
 悪い事に、違法と指摘された部分の柱は、他の部分と力を担い合う関係にあり、その部分を壊せば、他の部分の脆弱化は免れないため、結局は建設された校舎のすべてを取り壊さなければならない事になった。
 州政府と市役所は共に、取り壊し命令を覆すべく上告する構えを見せているが、取り壊しとなれば、最も大きな被害を受けるのは、子供達の教育の場を得たと思ったのに、再び失う可能性のある地域住民だ。
 パラナ州インフラ局は、DNITからの指摘があった後も建設工事が継続された理由などを明らかにしていないが、工事を担当した業者は「2年かけて建設した校舎をただ壊すなんて」と嘆くことしきり。生徒達も、「教育に投資するために使う事が出来たはずの金をどぶに捨てるようなもの」と苦情の声を上げている。(23日付グローボ局サイトより)