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「アイスの町」めざし奮闘=サンパウロ州イタポリス市で=早食い競争やフェスタで盛り上げ

ニッケイ新聞 2013年9月26日

既に4回目の開催となった早食い競争。なんとも豪快な食べっぷりだ

既に4回目の開催となった早食い競争。なんとも豪快な食べっぷりだ(Foto: Valentim Baraldi / Divulgacao)

 アイスクリームは、ブラジル国民が大好きなデザート。〃アイスクリームの町〃の称号獲得を狙うイタポリス市(サンパウロ州南西部)では24日、アイスクリームの早食い競争が行われた。人口約4万人、市内で登録されたアイスクリーム店は20カ所あり、2千人に1軒の割合でアイスクリーム屋があるということになる。
 女性2人を含む10人の参加者を抑え、見事優勝したのは石工のシセロさん。5分でなんと1083グラムも食べ、賞金300レアル(約1万3200円)をゲットした。
 コンテスト用に用意されたのは、全国パティシエアイスクリーム職人協会(ABRACES)の副会長らのスペシャリストが腕をふるった、オレンジ風味の特製アイス。町は国内有数のオレンジの生産地として知られており、その味は町の文化遺産に指定されている。
 また、アイスクリーム店の店主らが、店の自慢の味を競うコンテストも開催され、7人が参加した。レモン味、トリュフチョコレート味でソニア・ラモスさんが優勝に輝き、店の備品や材料購入用の商品券1千レアル(約4万4千円)を手にした。
 同市のアイスクリーム職人レアンドロ・サンビニさんは「アイスクリームの町というタイトルを獲得するため、僕たちは09年から動いている。認められるには色々と段階があるけど、できるだけ早くもらえるように急いでるんだ」と明かす。
 「アイスクリームは、数十年前から町の特産品のひとつ」。そう説明するセルジオ・コヴィズィ文化局長は「こういうイベントをやることで、考え方や文化が変わり始める。アイスクリーム職人のプロ意識を高め、正しいやり方で商品をプロモーションしていきたい」と方針を説明する。同市からは400家族が全国に拡散し、アイスクリームの製造販売を生業としているという。
 来年はアイスクリームの博覧会「エキスポ・ソルベッテ」を開催したいという関係者だが、同市では毎年アイスクリーム・フェスティバルを開いており、今年は「アイスクリームの日」の9月23日に第4回目が開幕した。開会式には町の学校の生徒たち800人が招待され、オレンジ、ゴイアバ(グァバ)、バナナ味を試食。たった3時間余りで300リットルをすっかり完食した。
 「材料は砂糖、水、フルーツだけ。カロリーは低く、子供たちにフルーツを食べる関心を呼び起こしたい。凍ったフルーツはより美味しくなるしね」とレアンドロさんは話す。甘くてカロリーが高いイメージが強いアイスクリームだが、実はプロテイン、ミネラル、ビタミンが豊富。「カロリーが高いのはクリームやトッピング。少量なら太らない」とか。
 開会式の警備にあたった市護衛隊の3人組もイベント後に試食。「オレンジ味が美味しいわ。サンパウロに住んでいた時は、この町伝統のアイスクリームが恋しくなったものよ。早食い競争にも参加したかったのに」。護衛官の一人、グレイマレ・ドミンゴスさんはそう言って笑顔を見せた。(25日付G1サイトより)