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ボン・ジェズス校閉校に=94年の歴史に幕降ろす

ニッケイ新聞 2013年9月26日

 サンパウロ市中央部のパリにあるボン・ジェズス・サントアントニオ校が94年の歴史に幕を降ろす事になり、閉校に反対する生徒や親が24日に抗議行動を行った。
 約50人が集まっての抗議行動は24日午前11時に始まり、横断幕を持った人々が学校の前の道路に出て、1時間ほど車の流れを止めた。
 同校の経営母体はカトリックのフランシスコ会で、閉校を決断した理由を、10年前の生徒は2千人いたが、商業地区化により生徒数が400人に減って、経済的に立ち行かなくなったと説明。同校にはサンフランシスコ大学も併設され、1919年建設の校舎と1975年建設の5階建て校舎が使われていたが、2011年に同大学がラッパに移動した後は、5階建て校舎の1階部分だけを使っていた。
 閉校後の校舎をどうするかは決まっておらず、生徒や親達からは、ブラス区の早暁市のような大衆型ショッピング創業といった案も出ている。また、地域の住民組織会長のタミデ・スゾルさんは、「あの校舎はこの地域の目印のようなもの。曽祖父から自分まで、家族全員があの学校で学んだんだ」といい、1919年建設の校舎を市の文化財に指定するよう求めるための署名を集めている。3人の子供を通わせているという弁護士のマリア・デ・ロウルデス・ラモスさんは、「私達に必要なのは店ではなく、学校」と強調している。
 同地区では公立校も生徒減少に悩んでいるが、市街化計画による生徒数減少などで移転や閉校を検討中の伝統校は他にもある。ポルト・セグーロは校舎を売って移転先を探している最中だし、市北部のサンターナは敷地の一部を売却、同じく北部のサレッテも2011年に閉校となった。各々の敷地には今、高層ビルが建っているが、その一方で、サンベントのように、2003年に閉校を宣言したが、生徒や親の反対で今も継続している学校もある。(25日付エスタード・デ・サンパウロ紙より)