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ロゼマリー氏に公職禁止=Pセグーロの主犯取り持ち=余罪多く告発は11件にも

ニッケイ新聞 2013年9月26日

 連邦警察のポルト・セグーロ作戦に関与した人物について調査していた国庫庁(CGU)が24日、ルーラ前大統領の元側近で汚職関与が指摘されていたロゼマリー・ノローニャ元大統領府サンパウロ市出張所所長を正式に免職処分とした。25日付伯字紙が報じている。
 2012年11月に実施されたポルト・セグーロ作戦は、連邦警察とサンパウロ州の連邦検察局の共同捜査によって明らかになった、公的機関が賄賂と引き換えに民間企業が有利になるような意見書を作成して便宜を図っていた汚職などを摘発したものだ。その主犯となったのは、国家水資源庁(ANA)元理事のパウロ・ロドリゲス・ヴィエイラと民間航空監督庁(Anac)元理事のルーベンス・ロドリゲス・ヴィエイラの兄弟で、この二人をそれぞれの公的機関の理事として推薦したのがロゼマリー氏だった。
 メンサロン事件の主犯であるジョゼ・ジルセウ氏と知り合って労働者党(PT)で働きはじめ、ルーラ氏の秘書となったロゼマリー氏は、2005年から大統領府サンパウロ市出張所所長に就任。在任中にヴィエイラ兄弟を推薦し、2009年頃、当時のルーラ大統領との面会を取り持つ行為を行ったことは既に複数のメールで確認されている。
 また、ロゼマリー氏とヴィエイラ兄弟の間には1250万レアルの金銭授受が確認されており、CGUはこれを賄賂と受け止めている。
 ロゼマリー氏の疑惑はこれに止まらず、ブラジル銀行の関連企業であるコブラ・テクノロジア社の契約締結を不正な形で行なったという告発も受けている。さらに、娘のミレーレ氏をルーベンス氏とのコネでANACに縁故採用させたこと、ある企業の関係者をジャック・ヴァギネル・バイーア州知事(PT)と引き合わせる見返りに大型クルーズ船の旅券を受け取ったこと、自身の学歴を詐称したこと、業務にかこつけて自家用車を割引で購入したことなど、告発は計11件に及んでいる。
 ロゼマリー氏は昨年11月の告発後、無実を訴え、CGUにも証拠を提出したが却下された。CGUによる免職は無期限で、25日に官報に掲載された。この懲罰の結果、ロゼマリー氏は最低でも5年は公職に就くことができなくなった。
 ロゼマリー氏の大統領府サンパウロ市出張所所長職は、ルーラ氏からジウマ氏へ大統領が代わった際も、ジウマ氏の本意ではなく受け継がれていた。ロゼマリー氏はポルト・セグーロ作戦で疑惑が判明した時点で更迭され、サンパウロ市出張所の閉鎖も検討されていたが、今年7月、ニウザ・フィウザ氏が後任に就任した。