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一家5人はガス中毒か?=食物からは毒検出されず

ニッケイ新聞 2013年9月26日

 【既報関連】17日未明に大サンパウロ市圏のフェラース・デ・ヴァスコンセロスで一家5人が遺体で発見された事件は、毒殺の可能性が薄れ、警察がガス中毒死の線で捜査を続けていると24、25日付伯字紙が報じた。
 同件では、7〜16歳の子供4人と母親のジーナ・ヴィエイラ・ダ・シウヴァさん(42)が遺体で見つかったが、遺体には外傷がなく、吐瀉物や糞便で床が汚れていた事や家族全員がケーキやジュース、スープを食した痕跡があった事などから、警察は毒殺の線で捜査を開始。第一発見者で母親の交際相手、ジーナさんから暴行などで訴えられた事もある33歳のボリビア人男性が身柄を拘束されている。
 だが、犯罪研究所(IC)の分析によると、アパートに残っていた食物には毒物は混入していなかった。また、警察が23日に行ったボリビア人男性とジーナさんとの間に出来た6歳の娘の事情聴取でも、14日は兄弟達と遊び、ケーキなども食べたが何もなかった事と、ジーナさんがガスの臭いがすると文句を言っており、入浴もプールで済ませるよう言った事などを証言した。
 ジーナさんはその日、ボリビア人男性の母親の家でシャワーを浴びており、コンドミニアムの管理助手も、ジーナさんはガス湯沸かし器を電熱式のシャワーと交換するつもりだったと証言。17日未明にボリビア人男性らと部屋に入った時もガス臭かったという。
 警察はICの報告や各種証言などから、ボリビア人男性は無罪と判断、24日夜、釈放した。
 事件の起きたアパートでは、6月3日にも新婚5日目だった23歳の男性が死亡、妻で20歳の女性も気分が悪くなって倒れて、流産するという事件が起きていた。
 警察では、23歳男性の遺体を掘り起こして法医学研究所で鑑識を行う予定だが、ガス漏れによる中毒死である事が判明した場合はアパートの所有者や建設業者が責任を問われる可能性が強い。