ニッケイ新聞 2013年9月27日
24日、高等選挙裁判所(TSE)は、連帯(Solidaliedade)と社会秩序共和党(PROS)の二つの新政党成立を発表した。この2党の成立により、政界の勢力図も大きく変わることになりそうだ。25、26日付伯字紙が報じている。
連帯は、署名を断ったはずの連邦議会職員組合員の名前が支援者名簿に入っていたなど、政党成立に必要な署名の集め方をTSE判事に疑問視されていたが、判事投票4対3というきわどい結果の末、成立した。PROSにも支援者名の一部が重複しているなどの問題があり、反対する判事もいたが、5対2の投票結果で成立した。
なお、14年大統領選挙への出馬が有力視されるマリーナ・シウヴァ氏の新党・持続ネットワーク(RS)は、20日の時点で選挙検察が「全国規模の政党としてはまだ認められない」との見解を出しており、10月5日までに最低基準の49万2千人分に不足している5万2千人分の署名の承認が不可欠だ。
今回の連帯とPROSの成立に伴い、現職議員の中で政党の移籍が起きることは避けられないものとなっている。
連帯は、大型労組のひとつである「フォルサ」会長として知られるパウリーニョ氏が、与党連合の民主労働党(PDT)を抜けて結成した党だ。パウリーニョ氏はかねてからジウマ大統領に対する批判を行なっており、野党となる見込みだ。同氏は25日も、「ルーラ氏なら支持を考えないでもない」としながら、「(ジウマ氏は)言ったことは守らないし何もしなかった」と批判している。14年大統領選挙に関しては、マリーナ氏やエドゥアルド・カンポス氏と組む可能性も示唆したが、同氏自身が「大親友」と呼ぶアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)との連立が有力視されている。
26日付フォーリャ紙によると、連帯はPDTからの6人の移籍をはじめ21人の下院議員を獲得することが予想されている。うち15人が連立与党の議員だ。
一方、元共和党員でゴイアス州の元州議員だったエウリペデス・デ・マセド・ジュニオル氏が結党したPROSは11人の下院議員を獲得すると予想されている。同党はジウマ政権支持が予想されているが、野党からの議員移籍は2人のみで大きな変化はない。また、エドゥアルド・カンポス氏の大統領立候補をめぐりブラジル社会党(PSB)の離脱が決定的になっているセアラー州知事のシジ・ゴメス氏の移籍も噂されている。
また、これらの新党成立により、かねてから議会で審議されていた「新政党に政党資金(パルチダリオ)と大統領選挙での政見放送割当を与えない」という法案の行方も注目されている。この法案は今年4月に下院で承認されたが、最高裁から違憲判断が出され、上院での審議が止まっている。PTはこの法案を通過させるのに積極的だと言われている。