ニッケイ新聞 2013年9月27日
サンタカタリーナ州北部のサンフランシスコ・ド・スルの化学肥料倉庫で24日夜11時頃に火災が起き、弱い毒性をもつガスを含む煙が大量に発生。火災は26日も続き、煙害を避けようと市民が近隣の町に避難したりしている。また、この煙はサンパウロ州に到達する可能性もありと26日付伯字紙が報じている。
火災が起きたのはパウラス地区の貨物ターミナル内の倉庫の一つで、中には約1万トンの肥料(硝酸アンモニウム)が保管されていた。現場では、同市や周辺地域の消防隊やフロリアノポリスの軍警総合司令部付き消防隊、アルカンジョ軍警基地のヘリコプター、海軍兵なども動員しての消火活動が行われている。
26日朝までの放水量は20万リットル、倉庫の壁を壊して、火が回っていない部分の肥料を運び出すといった作業も行われているが、26日午前11時の時点でも、火災の中心部に到達出来ずにいるという。
硝酸アンモニウムは火薬や爆薬の原料ともなりうるもので、加熱される事によって発生するアンモニアガスは弱いながらも有毒とされている。
市防災局などは近隣住民らに避難を命じ、1月にジウマ大統領が落成式を行った集団住宅も、もぬけの殻となった。大量の煙の発生は26日も止まらず、同日午前11時現在、ボランティアの消防団員を含む157人以上が煙を吸って中毒症状などを起こし、病院に運ばれている。
住民の中には、16キロ離れたアラクアリ市や22キロ離れたジョインヴィレ市などに避難する人もおり、市外へと向かう車の列が続いている。
この火災によって発生した煙は粘膜の炎症やセキ、いがらっぽさなどを生じさせる他、肌が赤くなったりかゆみが生じたりする可能性もある。煙は風にあおられて広範囲に広がっており、その一部は360キロ離れたサンパウロ市などにも及ぶ可能性があるという。