ニッケイ新聞 2013年9月28日
世論調査統計機関(IBOPE)による2014年大統領選挙に関するアンケート結果が発表され、現職のジウマ大統領(労働者党・PT)が支持率を大きく伸ばした一方、2位で追っていたマリーナ・シウヴァ氏(持続ネットワーク・RS)が大きく落ち込み、「ジウマ氏再選」の様相を濃くした。27日付伯字紙が報じている。
IBOPEが9月に行なった14年大統領選挙に関する調査で、ジウマ氏の支持率が30%から38%へと大きく伸びた。7月の調査では6月に起きた「抗議行動(マニフェスタソン)」の煽りを受け、3月時点での支持率58%を約半分の30%まで落ち込ませたが盛り返す形となった。
今回の調査では挽回の理由までは触れられていないが、マニフェスタソンのほとぼりが冷めたことや、米国による自身やブラジル企業への諜報活動に対し、堂々と批判したことが好意的に受け止められたことなどが原因と考えられる。
一方、前回の調査での支持率を12%から22%へ上げ、ジウマ氏猛追の勢いを見せていたマリーナ氏への支持率が、16%に急落した。これはジウマ氏の支持率回復の煽りを受けたのに加え、マリーナ氏の新党RSの政党承認が期限の10月5日までに間に合わないのではないかという懸念が高まっていることが影響したと見られている。そのことは今回のIBOPEの調査で同氏の所属が「無所属」となっていることにも反映されている。
3位はアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)だが、こちらも支持率を13%から11%へ下げている。PSDBもこの2カ月、サンパウロ市とブラジリアの地下鉄汚職疑惑で揺れていた。
調査ではPSDBの候補をジョゼ・セーラ氏に換えた場合も想定しているが、その場合のセーラ氏の支持率は12%でアエシオ氏より微増、その分、ジウマ氏の分が減り37%になるという結果が出た。セーラ氏はPSDBに残り、大統領候補へのわずかな望みにかけるか、社会大衆党(PPS)に移籍して立候補するかが注目されている。
4位はブラジル社会党(PSB)のエドゥアルド・カンポス氏で、支持率は前回(5%)より微減の4%となった。
この結果によれば、同調査のタイミングで大統領選が行なわれていた場合、ジウマ氏が決戦投票を待たずに勝利していたことになる。ジウマ氏の支持率は全投票中40%にも届いていないが、30%あった無効票・白票を除外すると、他の候補者の得票数を全て合計してもジウマ氏の数字を下回るからだ。
さらに今回は、ジウマ氏に有利な条件も加わっている。回答者に事前に候補者名を見せないで「誰に投票するか」と聞いた場合、「ジウマ氏」と答えた人が16%から19%に上がった。
候補者別に「必ずこの候補に投票する」と「多分この人に投票する」をあわせた数字でもジウマ氏は56%で、50%を大きく割った他の候補をリードしている。また、「この候補には絶対入れない」という拒絶率も34%で最も低かった。