ニッケイ新聞 2013年9月28日
ブラジル銀行が2010年から中国上海に置いている出張所を支店に格上げするための準備中で、支店開設に必要な最後の許可は年内にも下りる見込みだ。26日付エスタード紙が報じた。
中国の監視機関「中国バンキングレギュレーターコミッション」(CBRC)は8月に同出張所の監査を終えており、支店としての営業を認めるよう要請する書類を北京の本部に送ることになっている。支店として営業するための最後の許可は、同銀行が提出した申請書とCBRC上海による監査報告の審査後に出る予定だ。
パウロ・カファレリ国際部門担当副総裁によれば、最後まで残っていた許可が出たら、半年位で支店としての営業を始められるという。現在の出張所の職員は16人で、そのうち一人がブラジルからの派遣、15人が現地採用職員だ。支店に拡大するにはさらに20人以上の採用が必要となる。
中国に進出しているブラジルの銀行としてはブラジル銀行のほかに、上海で営業しているイタウーウニバンコ子会社で、企業向けの財務・投資業務を担当するイタウーBBAや、香港に支店を出している保険担当のイタウーセキュリティがある。
ブラジルの銀行にとり、中国の重要性はますます増してきている。今年1〜8月の米国への輸出は昨年同期比で13・5%後退した一方、中国への輸出は9%以上増え、取引額も320億レアルに上る。「ブラジルからの輸出は米国から中国に方向を転じており、今後の中国でのビジネスの規模を考えると、同国での業務拡大は不可欠」とカファレリ副総裁は説明する。
同副総裁は、41年前に進出した日本での業務に関しても言及。現在は3市に支店、4市に出張所を開設し、5万5千のATMを有しているが、今後はイタウー銀行の撤退に伴い存在感を増したい考えだ。イタウー銀行の顧客約3万人は、ブラジル銀行に口座を移管することになる。