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識字率向上と格差縮小停止?=非識字者は8・7%に=富裕層の収入極貧の87倍=子供の就労4%減に留まる

ニッケイ新聞 2013年10月1日

 地理統計院(IBGE)が9月27日に2012年の全国家庭サンプル調査(PNAD)の結果を発表、識字率は15年間で初の悪化を記録し、収入格差縮小もかげりが見えていると9月30日付伯字紙が報じた。子供の就労率は若干減ったが、15〜17歳の就学率も若干落ち、生活レベル改善のペースが鈍っている。

 PNADは1992年以降、国勢調査年以外の年に行われ、信頼度は95%。12年の場合、全国14万7千軒、36万3千人を対象に聞き取り調査を行った。
 12年調査で注目された事の一つは、2011年は人口の8・6%だった非識字者が8・7%に増え、14・6%が14・7%となった1997年以来、初の増加となった事だ。同調査が全国に拡大したのは2004年だから、単純比較出来ないが、非識字者は1280万人だった11年より29万7千人増え、1310万人に達した。非識字者最少は15〜18歳の1・2%で、最多は60歳以上の24・4%(11年は24・8%)。他の年齢層は前年と同じか減少しているのに、40〜60歳は9・6%が9・8%に増加した。
 就学年数4年以下で名前などは書けるが読み書きが不自由な機能的文盲は20・4%から18・3%に減少。地域別では、北東伯28・1%、北伯21・9%、中西伯16・5%、南伯13・7%、南東伯13・2%となっている。
 25歳以上で小中学校中退者は33・5%で、11年の31・5%より増えたが、無学歴者は15・1%から11・9%に減少。15〜17歳の就学率は84・2%で、11年の83・7%よりわずかな向上に留まった。18〜24歳の大学生は28・9%が29・4%に増え、25歳以上の大卒者も、11・4%からが12%に増えた。
 他方、熟練労働者不足などで高所得者の収入が全体平均より増えた事もあり、所得格差縮小は停止。下から10%の極貧者の所得は6・4%増の215レアルだが、上位1%の富裕層の所得は10・8%増の1万8889レアルで、84倍だった差が87倍に開いた。
 また、女性の平均給与は1238レアルで、1698レアルだった男性の72・9%。11年の73・7%より差が開いたが、04年の69・45%よりは大幅改善だ。
 識字率改善にも繋がる5〜17歳の子供の就労者は、前年より4・2%減の351万8千人。16〜17歳の就労者は8万2千人増など、明確な減少とは言えないが、15歳以下の就労者は全国的に減っている。子供の就労が全年齢層で減ったのは11・86%減の北伯のみで、中西伯では14・71%増の26万5千人が働いている。北東伯は128万4千人が116万5千人にと9・26%減だが、16〜17歳の就労者は4・29%増の60万7千人になった。南伯は3・71%減の57万人だが5〜9歳と16〜17歳の就労者増。南東伯もミナス州で5〜9歳の就労者が増加した。