ニッケイ新聞 2013年10月1日
9月28日未明、サンパウロ州モジ・ダス・クルゼスでラッシャ(自動車競走)を行っていた2台の車のうち1台が制御不能となり、8人を撥ね、6人を死亡させる事故を起こした。9月29〜30日付伯字紙が報じている。
28日未明、モジ・ダス・クルゼスの日本大通で2台の車がラッシャを行なった。同大通りの制限速度は時速50キロだが、事故車の速度計は120キロを指していた。
2台の車はラッシャの最中に接触事故を起こしてスリップ。横転した1台は大通り脇の空き地にいた若者8人を撥ね飛ばし、6人が即死した。亡くなったのは13〜22歳の若者で1人は女性、3人は兄弟だった。
事故車の運転手らは被害者も救助せずにそのまま逃走したが、27日午前10時頃、石工のレジナルド・フェレイラ・ダ・シウヴァ(41)容疑者が飲酒運転と殺人罪で逮捕された。同容疑者によると、事故当日は同乗の知人4人とフェスタからフェスタへとはしごをする途中で、事故の直前にビールを2本飲んでいたという。同容疑者は後ろから追い越してきた車からラッシャをするよう挑発され、つい競争をしてしまったと供述。同容疑者は文盲で、無免許運転だった。
また、ラッシャを挑発した車の運転手(23)の身元も既に判明している。同運転手はリンチに遭うのが怖くて、被害者の救助もせずに逃走したという。この運転手は9月30日に市警に出頭し、事情聴取を受けた。
一方、被害にあった若者たちは事故の時、水タバコを吸いながらくつろいでいたという。近くに住む16歳の青年の話によると、大通り脇の空き地では、深夜に若者たちが集まって談笑し、音楽を聴いたり水タバコを吸ったりするのが習慣となっていたという。