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サンパウロ市=14年にIPTU値上げ=調整率の平均は24%に=過去4年の不動産高騰で

ニッケイ新聞 2013年10月2日

 サンパウロ市の都市不動産所有税(IPTU)が2014年に市内平均で24%上昇する見込みだ。1日付伯字紙が報じている。
 このIPTUの値上げは、9月30日にフェルナンド・ハダジサンパウロ市市長(労働者党・PT)が市議会に提出した14年度予算案により明らかとなった。
 IPTUの見直しは2009年以来のことで、2010年から13年のIPTUは年間のインフレ率に応じて調整されていた。だが、14年度のIPTUは、直近の1年間でのインフレ率である6・5%を大幅に上回るものとなっている。
 IPTUは本来、不動産の価格に応じて決められるものだが、ハダジ市長は、2009年から13年の4年でサンパウロ市の不動産価格が高騰していることを指摘し、現状でのIPTU算出のやり方ではもはや意味をなしていないとしている。
 2009年以降、サンパウロ市内の不動産は高騰する一方で、26地区では不動産価格がこの4年間で100%以上の上昇を記録している。不動産価格の上昇率がもっとも高いのは中央部レプブリカの165・66%で、東部ではペーニャやカロン、南部ではカンポ・ベロやサントアマーロ、西部ではペルジゼス、北西部ではピリトゥーバなどでいずれも130%以上の上昇を記録している。いずれも新興住宅地として注目されている地域だ。
 IPTUの見直しは、算出基準となっている一般家屋価格図(PGV)の改定後の基準で行なわれることになる。どの地域にどれだけの値上げが行われるかは明らかにされていないが、市内平均で24%になり、高級住宅地ほど負担が重いものになるという。
 このIPTU改定案により、14年の不動産所有税は、13年の55億レアルから68億レアルに、13億レアルの急増をみる見込みだ。なお、14年の市全体の予算は507億レアルで、ジルベルト・カサビ前市長が12年中に決めた13年予算420億レアルを20・7%上回っている。
 また、市は連邦政府からの援助の倍増も求めている。現状は42億レアルだが、14年には86億レアルを希望している。一方で、州からの援助は10億レアルから約3分の1減の6億8100万レアルを見込んでいる。
 今回のIPTUの値上げは市民からの反感を呼びかねないが、14年はサンパウロ州知事選が行なわれる年で、ハダジ市長と同じPTからはアレッシャンドレ・パディーリャ現保健相が出馬予定だ。