ニッケイ新聞 2013年10月2日
6月に起きた〃抗議の波〃の後、3・20レアルだったバス料金を3レアルに引き下げるという異例の措置をとったハダジサンパウロ市市長が、選挙年に当たる14年はバス料金を据え置く方針を打ち出したと1日付エスタード紙が報じた。
例年なら1月に行われていたサンパウロ市のバス料金値上げは連邦政府の要請で先延ばしされていたが、6月になってバスと地下鉄、電車代が調整された後に起きたのが、無賃乗車運動を発端とする〃抗議の波〃だった。サンパウロ市で始まった〃抗議の波〃が全国に広がり、各地の自治体がバス料金引き下げなどの対応を決めたが、料金引き下げを発表する時に、補助金が市の財政を圧迫していると語った自治体の長の一人がハダジ市長だった。
ところが、来年度の予算案を見ると、今年度の補助は前年の6億6千万レアルを大幅に上回る12億レアルになるといいつつ、バス料金は据え置き。来年度の補助は16億レアルに上る見込みだが、公共交通機関が市民達の〃人質〃とならないように取られようとしている対策が、社会経済開発銀行(BNDES)の資金を借りての新しいバス公社設立案だ。
新しくつくられる公社は1千台のバスで市東部のバス運行に参加する予定で、市長としてはこれによって同地区のバス会社との賃金交渉などがよりスムーズになる事を期待しているという。
連邦政府は〃抗議の波〃後の7月、サンパウロ市の公共交通網改善や洪水対策などのために80億レアルを供出する事を約束している。