ニッケイ新聞 2013年10月3日
コロニアでどれほどの祭りを見てきたろうか。つくづく感じるというか呆れるのは、その尋常でないお祭り好きさだ。普段は土と向き合い、祭りではしっかりはしゃぐ。いわゆるハレとケだが、そんな農耕民族のDNAがしっかり受け継がれていることを実感する▼会の運営費の捻出など理由はある。でも要は好きなのだ。冷やかして歩くのもいいが、もちろん参加側の方が面白い。そんなことをベレンで先月あった『日本週間』の屋台で、はじける若者たちの笑顔を見て思った▼昨年にアマゾン地方の県人会の統合組織、北伯県人会協会(山本陽三会長)が発足した。同年の日本週間には4県が参加、今年さらに2県が加わった。「若者たちが参加してくれはじめている」と笑顔の山本会長▼サンパウロの県連主催「日本祭り」を見ても分かるように、祭りを作る喜びは若者を見事に呼び戻し、コロニアの活性化に繋がっている。山本会長は「ベレンに20ある県人会に参加を促していく」という。もし独自で出店が難しいなら、サンパウロの県人会が応援に行ってもいい。若者の交流も期待できるだろう。発足時、園田昭憲県連会長も「経験を伝えたい」と全面支援を約束していた▼主催団体である汎アマゾニア日伯協会の生田勇治会長。盆踊りを2階VIP席で沼田行雄総領事とビール片手に見ていたのだが「ちょっと失礼…」と席を立った。気がつくと満面の笑みで盆踊りの輪に加わっていた。血が騒いだのだろう。「来年は州政府の支援も得て大規模に」と眦を決していた。26回の歴史ある同週間がますます充実することを祈りたい。(剛)