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OiがPテレコムと合併=多額負債からの脱出図る=ポ語圏にシェア広がる

ニッケイ新聞 2013年10月4日

 多額の負債を抱える国内の電話大手Oiが、ポルトガル・テレコム(PTC)と合併することが2日に決まった。3日付伯字紙が報じている。
 Oiは1998年に電話公社テレブラスが民営化された際、地域別に分割された12の企業のうちの一つのテレマール・ノルテ・レステを母体とする企業で、「Oi」のブランド名で国内の固定電話市場でシェア率1位の規模を誇っている。
 同社は2008年に、民営分割の際に「テレ・セントロ・スル」を母体とし、当時業界3位だったブラジル・テレコムを買収した。民営化の際の「分割民営になった企業同士の買収」は法律で禁止されていたが、この買収は、当時のルーラ大統領の後押しもあり、「大電話企業を作る」との名目で法改正まで行なって承認された。
 Oiは社会経済開発銀行(BNDES)や年金基金からの資金援助も受けており、大電話企業として期待されていたが、拡大事業に失敗し、負債が膨らんでいた。その額は275万レアルとも290万レアルともいわれている。
 最近では他社との合併話も浮上していたOiだったが、最終的に合併相手として選んだのはポルトガルに本社を置くPTCだった。PTCは2010年にOiの株に参入して以来、株主の間で経営参入を噂されており、今年6月には同社の取締役だったゼイナル・バヴァ氏がOiのCEOに就任していた。
 この合併により、Oi281億4200万レアル、PTC93億1100万レアルのあわせて374億5300万レアルの大型通信企業が誕生することとなった。
 これは同時にブラジルに本部を置き、ポルトガル語圏で1億の顧客を持つ大型通信業者が生まれたことも意味する。新企業CorpCoの顧客は、ブラジルに約75%、ポルトガルに22%、アジア、アフリカのその他の国に3%となる。
 また2014年前半に正式発足となる予定の新企業CorpCoの最大の個人株主はPTCで、全持ち株の38%を受け持つことになる。同社社長はバヴァ氏が兼務し、残り62%の株はブラジル人株主が保有する。
 バヴァ氏はOiの今後について、国内シェア1位の固定電話に比べ、ブラジル内4位と振るわない携帯電話部門に言及、「まだ大きな成長の可能性を秘めている」と語っている。両社の統合を念頭におき、4月にOiのCEOに就任したバヴァ氏の最初の仕事は、今年は10億レアルだった株主への返済額を5億レアルに減らすことだった。
 この合併により、2日のサンパウロ証券取引所でのOi株価は、優先株で6・16%、普通株で4・70%急騰した。