ニッケイ新聞 2013年10月5日
3日、高等選挙裁判所(TSE)でマリーナ・シウヴァ氏を党首とする持続ネットワーク(RS)の設立承認をめぐる判事投票が行なわれ、6—1の大差で否決との決定が下された。これで、他党に加わらない限りマリーナ氏の14年大統領選挙出馬の可能性はなくなった。4日付伯字紙が報じている。
3日付本紙でも報じたように、RSの政党承認は微妙なものとなっていた。マリーナ氏が14年大統領選にRSから出馬するには5日までの新党設立承認が不可欠だったが、選挙検察のエウジェニオ・アラゴン副局長は1日に、TSEにRSを承認しないように薦める意見書を出していた。
RSは、新党承認に必要な国民からの署名数49万2千票に5万票足りない44万2千票の署名しか認められておらず、9万票以上が登記所で無効にされていた。そのことに関し、マリーナ氏やRSの関係者は登記所の承認作業を疑問視する発言を行なっていた。
だが、3日のTSEでの判事投票でもRSの不利は覆らなかった。報告官のラウリータ・ヴァス判事が最初に「政党承認のために法的に求められる基準に達していない」との理由で「反対」票を投じると、カルメン・ルシア長官をはじめとする判事たちも同様の理由でそれに続いた。唯一、ジルマル・メンデス判事のみが、労働者党(PT)が議会で新党の成立に不利な法案を通過させようとしていた事実に触れ、署名の承認方法を疑問視して「賛成」に票を投じたが、結果は6対1で「反対」となった。
これでRS関係者の14年選挙への出馬の可能性はなくなったが、マリーナ氏は結果を残念としながらも、「私たちは法的には認められなかったが、道徳的には正しかった」と語り、RS結党への作業は今後も続けて行くとした。
これでマリーナ氏が14年の大統領選に立候補するには、他党への移籍しかなくなった。マリーナ市は社会大衆党(PPS)はじめ7党から大統領選出馬の依頼を受けている。マリーナ氏はこの件に関し、4日中に結論を出すとしている。
TSEの判決後、大統領選出馬が有力視されているアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)とエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)は、共に残念がり、「RSが結党できるよう引き続き願っている」と答えた。PPSのロベルト・フレイレ党首は「民主主義の侵害だ」とこの結果に憤りを表している。
マリーナ氏はルーラ政権下で5年以上にわたり環境相をつとめた後、2008年に約30年在籍したPTを離党。10年の大統領選では当時下院議員数11人の小政党・緑の党(PV)から立候補し、3位に入る健闘を見せた。14年大統領選での同氏への支持率がジウマ大統領の次に高いことは世論調査でも明らかになっており、特に6月の「マニフェスタソン」直後はその差が縮まっていた。
イボッピの調査によると、14年大統領選では国民の43%がマリーナ氏へ投票する意向で、もしマリーナ氏が出馬を断念すれば、59%がジウマ氏に流れる可能性があるとの結果が出ている。