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フォルクスワーゲン社=新たに5億2千万レ投資=新型ゴルを現地生産へ

ニッケイ新聞 2013年10月5日

 ドイツの自動車メーカー大手のフォルクスワーゲン(以下VW社)が4日、新型車生産のため、パラナ州サンジョゼ・ドス・ピニャイス市の工場に5億2千万レを新たに投資すると発表した。同日付エスタード紙が報じた。
 同工場で生産を開始するのは、欧州で昨今発表されたハッチバック型ゴルの第七世代。ブラジルでは先月からドイツからの輸入品を販売しているが、これを当地生産に切り替える方針だ。
 同社傘下のアウディ社や同じくドイツの大手メルセデス・ベンツも、ブラジルでの生産再開のためにそれぞれ5億レを投ずると相次いで発表済みで、ドイツの自動車メーカーからはここ2週間で総計15億2千レの投資が発表されたことになる。
 アウディ社は、VW社のゴルと同じプラットフォームを使用するSUV(多目的スポーツ車)新型モデルの「A3セダン」と「Q3」を生産する予定で、パラナ工場を共用して生産を行う。
 VW社は同工場で独自開発モデルの「フォックス」も生産しており、新規の投資で工場を拡張する予定。日産台数は840台から1千台に上る見込みで、従業員数も現在の3500人に400〜700人ほど増員する。
 同社にとりブラジルは、ドイツ国外では、中国に次ぐ世界第2の大市場だ。ブラジルVW社のトーマス・シュマル社長はブラジル市場の重要性を強調し、「ブラジルは今後数年、フォルクスワーゲンとともに成長する」と発言。同社グループは2018年までにトヨタを抜いて業界トップに躍り出ることを目指しており、ブラジルでの生産拡大でその勢いに拍車をかけたい考えだ。
 政府は昨年、新自動車政策「Inovar-Auto」(自動車の技術革新と生産強化奨励プログラム)を策定し、当地での製造工程数や研究開発投資といった要件を満たすモデルに対しては、輸入車にかかるIPI(工業製品税)追加税を免除している。同政策以降、国外の自動車メーカーの多くが国内生産プロジェクトを打ち出しており、開発商工省は、国外自動車メーカーが1月〜8月7日に発表した国内工場建設や拡張への投資額は68億レに達したと発表した。