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サンパウロ市地下鉄が退職者募集=料金維持のための苦肉の策

ニッケイ新聞 2013年10月8日

 サンパウロ州都市交通局のジュランジール・フェルナンデス局長が7日、サンパウロ市の地下鉄料金を現行通りの3レアルで維持するため、自主退職者を募集すると発表したと同日付G1サイトが報じた。
 6月に起きた一連の抗議行動の後、3・20レアルに上げたばかりの地下鉄料金は3レアルに値下げされたが、この措置による負担増を軽減するための苦肉の策で、退職金の支払いを前倒しする事も検討中だという。
 自主退職者の具体的な募集数は明らかにされていないが、サンパウロ州政府は、経費削減策と共に、歳入を増やすための増税策も検討している。ジュランジール氏によれば、来年度の地下鉄や電車(CPTM)の料金を維持するか否かについては最終的な結論が出ていないというが、料金を何年も据え置く事は、公共交通機関のサービスの質の低下にも繋がりかねないとの懸念も表明した。
 サンパウロ市のハダジ市長は来年もバス料金を現行通りの3レアルとする意向を発表しているが、料金維持に伴う補助金の負担増を土地・家屋税(IPTU)の引き上げで埋め合わせる意向だ。サンパウロ市の場合は連邦政府からの資金援助の約束もあり、公共交通機関拡充のための投資は拡大する計画だ。