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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年10月8日

 ルーラ政権の環境大臣で国際的にも知名度が高いマリーナ・シウヴァ氏が、大統領選出馬に間にあう期日までの新党成立が叶わず、ブラジル社会党に加入した。最後まで新党設立を目指していた同氏が大統領選出馬を目指すエドゥアルド・カンポス氏の政党に加入する事で、政界の勢力図がどう変わるかは現時点では不明だ▼次期大統領選にはぜひと乞われ、新党設立への幅広い支持も得たが、選挙高等裁判所での承認が得られなかったのは、支援者の署名不足が原因だ。だが、登記所の署名確認作業の遅れや9件を超す署名の承認拒否が新党成立を妨げたという理由は、全員を納得させるには不十分だ▼確かに、新党を設立して大統領選出馬と言い始めた時期に、新党にはTVやラジオの放送時間や公的資金の分配を認めないという法案審議が行われ、手続き開始が遅れた事は否めないが、大統領選出馬が言われ始めた昨年中に新党設立を表明し署名活動を始めていたら等、悔やまれる材料も多々ある▼選挙高等裁判所で新党承認が否決された時、判事の一人は政治的な圧力で署名確認作業が遅れたのだから認めるべきと擁護したが法は法。結果的に新党は期日までに成立せず、「大衆の支持は得たのに政治な駆け引きに失敗」との声も出た▼政権担当者に政治的な駆け引きは不可欠なだけに失敗を成功への糧にする必要があるが、選挙戦術に長け、ジウマ再選に賭ける労働者党のマリーナ潰しは必至だった。新党承認拒否という手痛い洗礼後の同氏が、計画性のなさというブラジルの流行り病や政治的圧力にどう対処し、彼女の持ち味を生かしていくか、新しい楽しみが増えた。(み)