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リオとサンパウロ市で暴力行為=教師のデモ支援のはずが

ニッケイ新聞 2013年10月9日

 リオ市とサンパウロ市で7日、リオ市の教員デモ支援のためのマニフェスト(抗議行動)が行われたが、途中からはブラック・ブロックが介入し、暴力行為が繰り返されたと8日付伯字紙が報じた。
 リオ市の市立学校教師が給与や待遇改善を求めてストを起こしたのは8月8日。市役所は同月16日に調整案作成グループを設置し、そこで出来た調整案を10月1日に市議会が承認し、翌日、市長が裁可した。
 この内容を不服とする教師達が市議会占拠などを行ったが、教師達への支援を表明したのが、7日に起きたリオ市とサンパウロ市の抗議行動だった。
 リオ市カンデラリア教会前に集まった約5千人(他団体発表は2万人)は教師組合前の大通りをデモ行進したが、シネランジアに警官が居なかったのに乗じ、覆面姿のグループが介入。広場前にバリケードを築き、ブラジル銀行やイタウ銀行を襲った後、市議会前の警官が動かないのを見て、リオ・ブランコ大通りなどで銀行や公衆電話を破壊、バス放火、警察車両襲撃、ミリタリークラブに石や火炎瓶を投げ込むなど、暴行が激化。市議会や米国領事館も投石などに見舞われた。最低30人が逮捕された。
 他方、サンパウロ市では、総勢400人がパウリスタ大通りと市立劇場前の2カ所で集結後、レプブリカ公園前の教育局に向かった。平和的だった抗議行動は公園前での覆面集団が加入で様相が変わり、少なくとも銀行8店舗、一般店舗3軒、ランショネッテ2軒を襲撃。ゴム製の石投げ器で火炎瓶を投じる姿や、警察車両を反転させ、誇らしげに腕を振り上げる様子などがテレビにも流れた。
 リオ市での負傷者数は定かではないが、サンパウロ市では警官も含む7人が負傷。逮捕者の中には治安維持法違反を問われ、裁判所の判断が下るまで留置されている人もいる。
 なお、パウリスタ大通りに集まった一団には、学長選挙の方法改正を求めて本部棟を占拠した仲間を支援するサンパウロ総合大学(USP)の学生達も混じっていた。