ニッケイ新聞 2013年10月9日
【既報関連】アルゼンチンのクリスチーナ大統領が8日朝、ブエノスアイレス市内の病院で脳の手術を受けたと8日付G1サイトなどが報じた。
クリスチーナ大統領が受けたのは、脳内の血管が傷ついて出来た硬膜下血腫と呼ばれる血の塊を取り除く手術だ。7日付伯字紙は1カ月間の休養を命じられ、経過を見て手術と報じていたが、同大統領が6日に左腕の痺れや上半身の軽い脱力感を訴え始めたため、手術を急ぐ事になった。
医師団によると、クリスチーナ大統領の腕の痺れは脳に出来た血の塊で脳が圧迫された事が原因で、手術そのものは約2時間で終了した。
手術後の入院は3日程度の入院で済むが、その後の回復には4〜6週間かかる予定で、27日に行われる議会選挙のためのキャンペーン参加などは実質不可能だ。何事も自分で決断を下すという従来からのスタイルを保つ事も当面は難しい。
同国が直面している問題は議会選挙以外にもあり、同国が債務不履行に陥る可能性を巡る国際法廷での争いなども急を要する。ラ米3位の経済力を誇る同国が国際市場では排斥される傾向が強いのは、経済成長率やインフレ率などの公式発表が実態とかけ離れている点や保護貿易主義の他、為替管理、石油・航空産業界の主要企業の国営化、民間の社会保障システムの問題などが原因だ。